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思い出

悲しい知らせ  友よ

「Sくん A・・・だよ!、今朝、Bが亡くなったよ!」
懐かしい友、高校の同級生 普通課の世話役さんAからの電話だった。

「何? どうして?」 突然のことで合点がいかない、
高校3年間を共に過ごした、一番のモテ男、柔道部にして柔軟性の有る
硬派学生のBが死んだと言う ?

同級会をする時は必ず彼に連絡したほどの地域のリ-ダ-格だった。

「どうして、何故なんだ ?」 
私の問いに、戸惑いながら答えるAの言葉に衝撃を受けた、

その死因は言えない、言う言葉もない。
私は電話を切ってからも呆然としていた。

十数分後、地元のリ-ダ-C(花の番長)に連絡を入れた・・・
「何 ? 本当か !」 彼も言葉に詰まった、仲良しメンバ-に連絡する
ことを約束してくれた。
次は、柔道部主将D、山の大地主Eそれぞれ知らせる、一様に言葉がない。

私は大事な予定を外すことが出来ないため花の番長に諸事託して葬儀告別式を
欠席した、
夜、Cから連絡が入る・・・
葬儀告別式を済ませてから、近くのミニレスで故人を偲んで女性を交えて同級生
十数人でお茶会をおこなったとのことだった。

久しく同級会もしていなかった、だから同級生の近況も判らなかった ?
悩みを汲み取ってやれなかったことが悔やまれる、
心の整理をしたい、彼Bとの思い出を振り返ってみたい。

最終章に入って、何故なんだは、詮無いことか ?
どんな悩み苦しみがあろうと人生を全うして欲しかった。

このSでも、がんを克服して来たではないか、死の淵を覗いて尚、歯を
くいしばって来たではないか? 何故なんだ、今ではむなしい !?

Cの慰めがせめてもの救いである・・・
「Sよ! 気晴らしに帰って来いよ。」

ちょうど、仕事も一段落した、帰ることにしよう、
「おおい! Bよ! Bよ! 切ないぜ・・・」

校庭のヒマラヤ杉が、突然のBの死を儚んで鳴いている、
男女交際が珍しかった頃、美貌の誉れ高い女学生と並んで歩いたBの姿を

羨望の眼差しで見送った男子学生の幻が霞みの向こうで敬礼した。

彼の死をいたみ冥福を祈りたい。(同級生でありがとう)

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