浮世には酒と歌は付きもの、どれほどの男や女がそれに縋って
泣いたことか。
「Sさん!」 そう言ったきり絶句して拳を叩いたあいつ !
「マスタ-!」そう言ったきり両の目から大粒の涙を流した
あの娘。
男も女も泣く時は同じ ?
どんな険な奴だって切ない時は子供に帰る、
女であれば尚更よ、女の涙に騙される、胸の内は分からない、
そう見ると案外男の方が純情だね、女の涙には 毒がアル ?
日にちを拾えばけろっとするのはどちらか ? だから女は強い。
幾人もの男達が悶々と恋に悩んだ、
「もう諦めろ、次の女が出来る・・・?」と何度言った事か ?
未練がましいは男、案外さっぱりは女、一概に言えないけどね。
しかし、あなた一筋の女に掛かると大変なのも事実 ?
一夜の浮気が、相手の女がのぼせ上がる 「あなた一筋」に、
こうなるとスッポンか蛸の吸盤、離してくれぬ。
女房の居る家まで押しかけられて、泣く泣く女房が家を出た、
だけど何時までも好きと嫌いだけでは長続きしない、結局別れの
時が来る、因果応報、これはどちらにも言えること。
人を泣かすといつかは自分に返る、浮世の怖さがここにある、
そこでギタ-を弾こうよ !
ひとり寝の男の部屋に何もない、只有るのはあなたへの未練だけ。
男って奴は弱いものです、「捨てないで」は、今では男の話 !
「定年になってから離婚なんて、おまえはひどい !」
「そう言うお前さんは何なのよ ?」
女房に啖呵のひとつも切ってみな! もう遅いかもしれないがね。
「Sよ、それもしかしてお前の話か?」竹馬の友がニヤリと笑った。
・・笑ってごまかしたがね、本当のところを言うと当の昔にああ!
三下り半さ・・・
男と女は判らんぞ ?
何処からか、男の嘆き節が聴こえて来た、唄うかい ?
男と女のラブゲ-ム、又どこかで泣いている男がいる、それもしかして
お前さんかい、程ほどが良いと思うよ、お後が宜しいようで。
(男性・女性と表現すべきところを男と女と形容しましたご容赦願います。)