歌の効用
私は、何かをしている時よく鼻歌を歌う癖がある、
下手の横好きの類だが、この頃ふっと気がついた。
特に車を運転している時の気の持ちようがなんとも
浮かれているのである、
人を恋うる歌よりも明るい応援歌の時に顕著である。
その歌のレパ-トリ-が又多彩と来ている、
童謡から演歌、ポップス、ロカビリ-、それも自然に声
を張り上げている、その時に気がついたのである。
心晴れやか、気分るん るん ?
何故なんだと自問自答してみた、仕事の充実が先ず 第一、
家庭的にもいやなこともなく平穏に過ぎている。
先般のがんセンタ-での予約検査の結果も良好で、この
後の予約は必要なし、後は市が行う集団検診を受ければ
良いですよとの主治医の言葉だった。
別に病気を歓迎する人間はいないが、私の場合は病気を
離れて主治医と会話を楽しむ風情がある。
病気で苦労されている人には不謹慎だとお叱りを受けるが、
要は、悪いことでも心に籠もるのではなく明るく楽天的に
受け入れるという心の持ちようを言いたいのである。
悪く悪く自分を追い込むのではなく、苦しいけれど明るさを
心がけるところに病気が好転する自然治癒力の不思議を思う。
若いときに比べて性格も随分変わった、この頃あることにも
気がついた、人との付き合いの少ない人の問題が起きた時の
対処方法との違いである。
彼らは人付き合いが多く他人から相談事も多い私から見ると
他愛もない事で悩み苦しんでいる。
経験の差、悩み苦しみの経験の浅さが対処方法を限定させて
いる、これなんだと !
だから彼らの悩みを聞いてみると何でもない程度の苦労で
右往左往している、苦しい中でも人に手を差し伸べて来た
私は、それが当然なんですよと突き放している。
自分の殻に閉じこもり、人の不幸を見て見ぬ振り、これでは
自分が困った時助けてくれる人は現れない。
苦しみなさい、それが因果応報と云うのです、私はそのように
突き放している、今、現在も損な人は少数だがいる。
何故、助言しないのか、こんな人に限って、自分が困って救い
を求めているのに、こちらがどんなに助け舟を出しても聞き
入れることはしない、自分の考えに固執する。
だったら言っても無駄ではないかと思うのである、自業自得で
いきなさい、悩みなさい、そのぐらいでは死にません ?
そこで歌の効用である、これだと誰の邪魔にもならない、自分の
世界で動き回れる、声の大小はそれぞれの好みでやれば良い !
唄う歌に依って、叩きつける歌になり、涙の操にもなり、且つ
哀愁列車にもなる、私の場合は師匠のまねをしてたまには女歌に
なる。
車の運転、るん るん るん !
「おいおい! Sったらどうしたんだい、歩道の前で止ったから
合図したのに、お口パクパク! 目を向いて行ってしまったぞ!」
ご勘弁願います、新しいレパ-トリ-を取り入れてアイドルの
歌に挑んでいます、
これも楽しく生きる方法、先のない年寄りに免じてお許しを !?