フィクション

男達の挽歌  不器用  健さんに憧れて

男達の挽歌 不器用  健さんに憧れて

人の後ろに控えるお前
もっと前に出ろよと言われても
恥ずかしげに笑みを返す
そんな男が大好きだよと
鉄火肌が頬を染める

本当は前に出て良い男なのに、これで良いんだよと手をかざす、口下手ではなく小心でもない、それなのに黙って控える男伊達。

揉め事が起きてダチが怪我をした、日頃威勢の良い奴が引っ込みやがった! どうしたんだよ ! 助けねえのかい ?

それから、わずかして、引っ込んだ奴は尻尾を巻いた !本当の性根ってヤツはよ、いざという時に前に出るもんだぜ !

まあ! いいがね !

不器用な男の姿が消えた、どうしたんだい ?
何日かして新聞に大きく写真と名前が載った、消えた不器用だった、傷害致死、

長くて寒い網走の冬がそこに来ていた、しばらくして送られることを知らされた、健さんに憧れて健さんになろうとした不器用な男だった。

時代が代わろうとして何もかもがあがいていた昭和、港町から奴の姿が消えた !

奴が好きだよと、カウンターで泣いた、鉄火肌、夜の蝶 !人知れずフェーリー波頭から九州の地に向かった、女の消息は途絶えた。

不器用な男に惚れると、女は泣きの明日 ! 風の便りさえ届かねえ ?平成が代わろうとしているのに、不器用の、 男の笑みは 帰らない     !?

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