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友情

遅咲きのご祝儀  刎頸の友よ !

遅咲きのご祝儀  刎頸の友Zよ !
私の人生にとってかけがえのない人との出会いがある、その中でも兄弟に等しい、いやそれ以上に貴重な弟分との出会いがある。

それは特別の言葉でも言い表せない男の秘めた想い、今に至るも取り返しのつかない悔恨として我が胸を責め続けてきた。

和歌山に旅立った弟分夫婦に2人の男の子が授けられた、風雪流れること二十数年、私の元に次男の結婚式の話が入った。

お盆だったか、彼らが故郷に帰郷して私も実家を訪ねた、可愛い弟分の息子の結婚式直前だった、当然お祝いのご祝儀をしなくてはならない、でも私はできなかったのである。

私の生涯で大きな心残りの一つに兄弟達との金銭関係のもつれがある、自立心の欠落した他力本願達は私への厄介者として両の肩にのし掛かった。

兄弟を助けるために蓄えをハタキ、その上更に借金を抱える身になった、その支払いに追いかけられる辛い日々がちょうどその頃だったのである。

それまで頑張った商売で僅かながら蓄えもでき松山へ出て来た私に、母親の言葉が地獄への発端となった、弟を助けてやってくれ、兄弟は助け合うもの、この言葉が呪縛になった。

外国との間で恩知らず民族との呼称は有るが、それを兄弟に当てはめることの不幸、これほど辛いことはなかった。

可愛い弟分の息子の結婚式にご祝儀を包む事は出来なかった !私の生涯で取り返しのつかない落ち度の一つとなった !

歳月は事ある度に我が心を責める、借金してでもするべきだった、私の悪夢はもう覚めないと諦めていたが、今回その弟分の長兄の長男の結婚式を聞き、お祝いを包むことにした。

私のブログ「男達の挽歌 男達の 押忍」に登場する寺の住職Fとの電話で交わされた 「SさんZも帰っているよ !」

そのZこそ私の刎頸の兄弟分、それを聞いて帰る事に決めた、風雪数十年心のトゲを抜きに帰る。

遅咲きのご祝儀「遅くなってごめん、孫の誕生祝いになってしまったね」和歌山の釣りバカ日誌 浜ちゃんは何と答えるだろうか  ?

「 Sさんらしい? 忘れていたよ、 Sさん、もう金は要らんよ !」八幡浜の浜風が、潮の香りを運んで来る、側で妻のSちゃんが「Sさんたらもう・・・」そっと頬を拭うかも  ?

遅咲きのご祝儀、「遅れてごめんよ!」

「貧乏は恥ではない、罪を貧乏のせいにしてはならない、
貧乏のせいにする事は、真面目に生きる人への冒瀆である。」

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