サブとサチ
どんよりと雨雲が垂れ下がっている、
やや肌寒い今日は10月も最後の日、
季節は急速に冬に向かって走って行く。
ある画面に目が止まった、
「サブ絶唱」
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懐かしい男の名前が出ていた。
「さぶ!」
思わず瞼が熱くなった !
忘れられない忘却に消えた男の名前
もう一人いる
「サチ!」
敬称を省略して呼び戻したい男たち !
私の青春に人情という厚みをくれた
二人の男。
町の東の一隅、八幡様の下、市民会館
裏通り、車が2台すれ違う細道沿い
男たちの人情は織り成されて花開いた。
平成に変わる前、昭和が輝いていた時代、
片山町の夕日は
庶民の生業で赤々と燃えた。
サブの気合いとサチの心意気、
一本気な男たちに
町の長老たちも、相好を崩して微笑んだ。
サブとサチ
杉の子が迷い道に途方にくれた時、
逢いたい!帰りたい!郷愁に胸を焦がす。
今宵は、そんな2人のダチを偲び、
一杯やりながら、演歌でも一節唸ろう !
2人には敵わないが、笑ってくれるだろう。
サブ絶唱 ! サチ大向こう !
ひとりぽっちの 杉の子
男達の挽歌が、夜のしじまに響き渡る !
「逢いたい !逢いたい ! 逢いたい ね !?」