散り椿 愛しや篠
東宝映画 木村大作 監督・撮影作品、岡田准一主演 散り椿」を2度見ることになった。
最初の期待は、岡田准一の殺陣に興味があって、主として彼独自の殺陣に目を凝らした。
そして今回は、物語の構成、特に男たちの忠義、人間模様と篠と里美姉妹の心情を探ってみたいと思った。
私の出向いたシネマサンシャイン エミフルは、最終日を迎えて溢れんばかりの観客かと想像して参ったが、
案に相違して・・・?
受付嬢いわく「ガラ空きですのでお好きな席でご覧になって下さい」の言葉に押されて9番館に入った。
まことにその通りで、私は後ろからひとつ前の席で観覧することにした、
物足らないとか寂し過ぎるとかのマイナスイメージより、こんな素晴らしい時代劇を一人でに独占出来るなんて本当かと大満足 !
映画館独り占め、こんな経験をした人は私以外に居ようか ? 格別な映画鑑賞となった。
さて、映画の本題ですが、
2度目になると映画の内容、その筋書きが克明に脳裏にインプットされる、武士の男社会に於ける女性像とは ?
麻生久美子の篠 黒木 華の里美姉妹の男に左右される人生は、昔の封建時代の身分制度と相まって、忍従の女達の哀感を感じさせられる。
好きな男と結ばれず、嫁いだ男はお家騒動の犠牲者 !
あの時代の女達の身動き取れない仕来たりが切なく身に迫って来る。
最後のクライマックスに知らされる篠の胸の内、死して後女の心を知る男 新兵衛、男女の仲って切ないですね。
私の数少ない女性への想い、思わずオーバーラップして身に沁みました。
やはり、男は女性は労ってあげなくちゃ !
2人の男を想う篠の胸の内が・・・ 切ない !?
キャスト
瓜生新兵衛 ・岡田准一 榊原采女 ・西島秀俊
爪生 篠・麻生久美子 坂下里美 ・黒木華
坂下藤吾 ・池松壮亮
下馬評より観客動員が少ないと評されていますが、木村監督のご健闘に敬意を表すと共に更なる名作の誕生を期待しています。
岡田准一の大成に大事な一歩だと確信しています。
「散り椿」
後世に残る名作として語り継がれるに違いない。