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思い出

忘れられぬ誘惑  バカな男のひとり言

私は基本的に日本古来の亭主関白人間だが女をかしずかせる暴君ではない。若い頃と違って今では女性の立場を尊重するレディーファースト人間であると自負している。

ややママコンプレックスの嫌いはあるがそれでも盲目に母親の肩を持つ人間ではない、私が青年の頃、同居していた兄夫婦との軋轢の時でも母を諭した方である。

男女の問題に限らず理不尽な事には歯向かう真っ直ぐ人間と言えば良いのか、独特の女性観を持っていた。

一番嫌いなのは、女を働かせて遊びまわる男、これには無性に腹立って許されない、男の屑だと決め付けていた。

遊び人タイプに多い傾向だったが女房を夜の商売に行かせて己はパチンコ三昧、この野郎と内心は思っていたが商売上、知らぬ振りをしていた !

だから、はっきり言えばヒモ野郎、このタイプに虫唾が走る、若い頃だから時効だと思うのでちょっぴり披露する。

綺麗に着物を着飾って30代になったばかりの美女がカウンタ-に座った、閉店の時間が迫っていた、両サイドの客が帰った頃、彼女の口から思わぬ言葉が洩れた、

「マスタ-今晩付き合って ?」目がやや潤んでいた、男が振り返る程の美人、どんな男でもひと目で虜になる艶やかな人妻、一瞬ドキッとしたが私には誘いに乗れない理由があった。

旦那が私の店によく見えていて穏やかな好印象の男だったこと、だから誘いに乗らなかったと云うよりも乗れなかったと言うのが正解である。

相手を気遣って断ったつもりだが、彼女は悲しげに眉を寄せて帰っていった、どうなんだろうね、亭主への不満が有ったと思うが女心を傷つけてしまったのではないかと、しばらくは不思議なほど罪悪感に苛まれた。

旦那が知らない男だったら、その誘いに乗ったかも知れないが「据え膳食わぬは何とやら ?」 二度とない 勿体無い話、なぜか忘れられない思い出である、その人妻が他の男に走ったかどうか、夫婦のその後は分からない。

妙な想像だけして断ったが或いは生活の相談だったのかもしれない、悪い事をしたと後悔しているが、幸せな夫婦生活で有って欲しいものである。

若い時の男は皆一緒、ある程度の違いはあっても大なり小なり暴君だが歳とともに柔らかくなるものである、大体女房の尻に敷かれるようになる。

それが円満の秘訣、それが年取った今でも変わらなかったら、躊躇無く離婚したほうが良い、死ぬ迄、甲斐性なしの旦那に痛めつけられたら、あなたの人生は何なのよとお天道様でも同情して涙を流す。

テレビの向こうで相変わらず女傑たちが男を手玉にとって喚いている、これで又私のイライラがつのる !

「何だと! 男を粗末にしやがって ?」

男と女の修羅場は千差万別、だから知らん振りがいいのかもしれない ? 夫婦喧嘩は犬も食わない !

「好きで一緒になった仲じゃない !」             将棋の鬼と世に謳われた王将坂田三吉女房の小春、小春の声が聞こえてくる!                          「そうだね !」  男は口ごもるしかないか ?

どこかの山の神が振り返って、得もいえぬ笑顔でウインクを寄越した、                             「お前さんには、私が付いているじゃない ?」

(・・・・・ ん ! ええ何に ? そうかな ?)

忘れられない誘惑  バカな男のひとり言 やはり女は強い !?

 

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