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思い出

男たちの挽歌 青春賛歌2

私のブログを知って従兄弟から連絡が来た、

「あの時いたのは5人だったよ  !」

薄暗い店内での男たちの異常にママが気がついた、町のヤクザ、チンピラでも一目おく鉄火肌の名物ママ   !   このママは裏の人たちとも通じていた。

ずっと後年息子がスポーツの世界で脚光をあびる美人ママ、やり手経営者で有名な女性だった。

早口で間を取るその明るさに男たちは一瞬間を置いた、

「ゴメンよ!睨んだつもりはないんだが気を悪くしたら堪えてな  !」 私は素直に兄貴株に頭を下げた。

その中で中学の先輩が混じっていた、先輩の取り成しも有ったが、小柄な私が敵意もなく率直に詫びる姿に男は首を傾げながらも矛先を逸らした。

「あの男は変わっている  !」  離れた席から兄貴分の声が聞こえて来た、横の先輩が私を振り返ってニヤリと笑った。

先輩は空手に打ち込む私をよく知っていたのである。

小柄で角刈り、本人は普通だと思っていたが、その当時の私を同級生や後輩達は目がキツイすわっていると冷やかした。

人生にタラ話は似合わないが、肉体労働の屈強な男達ともし闘っていたら、私の青春に燦然と輝く逸話のひとつになっていたかもしれない。

それとも見事に袋叩きにあって惨めな敗北の記憶に名を留めただろうか、勝敗の分かれ道は何とも面白い。

その後私と兄貴分はどこで出会っても、手を挙げ笑顔を交わす仲になっていた、私は尊敬と愛を込めてKちゃんと愛称で呼んだ。

キュウちゃん  !    愛すべき兄貴分だった、懐かしい   !

港町は漁業とみかんで栄えた町、潮風と太陽の恵みが程よく混ざり合って、陽気な男達を作ってくれた、太陽の季節、そのものだった。

ヤクザ退場、空手隆盛は、その後訪れる、芦原会館歴史誕生の前夜、町は混沌としていた時代である。

男たちの挽歌、

青春賛歌は幾多のドラマを残して夕映えに消えていった       !?

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