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友情

頬をつたう涙 追憶

頬をつたう涙  追憶

仕事が詰まって身動きが取れないのに、日曜祭日ともなれば各地の友人知人から電話が入る、嬉しい話もあれば悩み事の相談もある。

人間とは全てにおいて幸せな人はいない、その反面全て不幸な人もいない、良くしたものである、その受け取り方で気持ちの持ちようが違って来る。

順風満帆できた人は、小さな事で悩み苦しむ、人生苦労ばかりで耐えて来た人は、何よこれぐらいと、「ケ・セラ・セラ!」 悩みに強い、さすがだね   ?

聞く方も心軽やかに受け答えができる、幸せな人の悩み事は大した事ないのに、それじゃうんと悩みなさいよ甘ちゃん、少しだけ突き放す。

友達もなく孤独できた人は困った時に相談する人がいない、反対に家を忘れるほど友人知人と遊び回った人は、困っていることを知った友がそれ大変と押しかける。

この違いは大きい、特に男にとって意味が違って来る。昨夕、食後のひと時、田舎の後輩に電話をした、気立ての良い妻は先輩の妹。

突然の電話、それも40年以上会っていない後輩である、仲間の中で常に控えた常識人間、私が密かに気にかけていた男である。

彼は私が可愛がった後輩の従弟、その後輩はずっと以前不治の病で病院で亡くなった、お悔やみに訪れた私に「Sさん、パパはSさんに会いたかったと思います  !」

後輩の妻の声を背に私は涙が止まらなかった、数ある交友の中で、人生を断ち切られる辛い闘病生活で、わたしに逢いたいと願った彼の思いに私は応えられなかった。

亡くなって1年後に彼の死を知ったことによる、彼の遺影の前で私の涙は止まらなかった、常に私を頼ってくれた後輩だった。

この20日、私と彼の出身校K高の同窓会が松山城のお膝元で行われる、責任者の支部長は彼の同級生、南海放送のラジオパーソナリテー   やのひろみちゃんのお父さん。

後輩との思い出を語る私の耳に、故郷の後輩のすすり泣きが聞こえて来た、従兄弟の辛い闘病生活を知る彼にあの日々が蘇ったのである。

「身体に気をつけてがんばれよ  !   困った時は相談に乗るから  !」目立たず控えた男だけに私の男気は揺すぶられる。

田舎の可愛い後輩、彼は私の竹馬の友Aちゃんの弟である、お姉さんとは昨日電話で話し合ったばかり、友情は損得ではない。

良き友を得ることは何よりの良薬です、尽くすこと、それはいつの日か苦しい時にあなたの元に帰って来る、名医を沢山連れて。

頬を伝う涙、心の洗濯  追憶   !?

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