めずらしく暖かい昼下がり、
厳しかった冬の名残もどうにか峠を越えたようだ ?
「Sさん、忙しいですか ? おいしいコ-ヒ-飲ませてあげるから
おいでなさいよ。」
大きな役所の部長職を定年退職し、ある施設の館長に天下りの友人から
電話がかかってきた。
「ちょうど近くまで行く用事があるからお邪魔するよ、」
所要を済ませて午後三時ごろ、私の車は大きな施設の一角に在る
その建物の前に停車した。
窓からそれを見ていた友人は、直接迎えに出て来てくれた、
「元気だった ? 久しぶりですね、」
小柄だが体のがっちりした彼は、ひとなつこい笑顔を見せた。
受付嬢に挨拶、穏やかなその女性は柔和な笑みを返してきた、
館内は静寂で音ひとつしない。
ソファに腰を下ろした私は久しぶりの再会と有って思わず声が
高まった、
「しっ! Sさん、少し声を下げてな・・・!」
そこは静かな〇〇館、
: アンネの日記 大丈夫 ?
東京での事件が気にかかる。
事務員さんでなく、彼が直々熱いコ-ヒ-を炒れてくれた、
(ええ! どうしてこんなに美味いの ?)
役所で威厳の有った姿を見ているだけに驚いた ?
しかし、その謎はすぐ解けた・・・
(なあに! 家では自分で入れるのよ、)
愛妻家の彼らしい言葉で納得した。
そういえば、前に自宅へ尋ねた折も、
こまごまと甘いものを見繕ってくろたっけ ?
わがままな私が大いに見習わなければならないことだね ?
硬い役所で部長職にまで上り詰めるってことは・・・!!
処世術が別ったような気がした。
忙しい彼の時間を割くわけにもいかないので早めに退散した、
今度は居酒屋でいっぱいやろう、呑み助同士の約束は早い。
我々の仕事は孤独な面も多々あるが、同業書士との絆が大事、
相合傘ならぬ、ふたりでひとり、そんなこともあるのです。
表だっては、一人旅 その実は 同行ふたり旅、
行政書士の世界 垣間見てみますか ?
ご案内 いたします。