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フィクション, 思い出

強い人は  少年の涙

私の周辺は悲喜交々問題山済みです、さすがの私でも対応しきれません。

仕事、生活面、人間関係、いろんな悩みがあるものです。こうなると人付き合いのある人、ない人の差が歴然と出ます、人に寄り添わなかったと言う事は人助けをしなかったと言うこと、生き方がここに来て左右するのですね。

孤独に沈む人、若い頃のツケがわが身に帰る、切ない晩年です。

昨日も師匠と電話で長話、若い頃から面倒見の良い人で多くの相談者を助けた人。

私はその影響を受けて人に接するようになりました、そんな訳で昨日は県外の相談者との面談でした、師匠からの依頼でしたが楽しい雑談に終始しました。

人間を狭い枠で眺めると、どうしても損得に行く、貧しくて哀しい家庭生活を送った少年がいました、その両親との友愛を彼は襖の陰から覗き見していたと言います。

ヤクザまがいの高利貸しの取立てに身をすくめた少年は、両親と笑って話をする私の姿を見て、 「優しいおじちゃんがいる!」そんな風に思ったと言います。

風雪は、少年の家族にこれでもかと襲いかかって来ました、ほんの少しの私の愛が両親の壊れそうな心を奪い立たせました。

山奥の壊れそうな古家が、いつの頃か、小さいが新しい家に建て替わった、故郷の友からの嬉しい知らせだった。

私はある年、所用で東京へと向かった、その用事が一段落した後に、ある官庁街へと足を向けた。

嬉しい再会が待っていた、その部屋は質素な調度品で落ち着いていた、ゆったりしたソファからひとりの紳士が立ち上がった、夢に見た、あの時の少年である、故郷の両親の進めだった。

少年が大学を卒業して公務員になったと風の便りが知らせて来た時、「Sさん、息子が頑張り通しました、東京で就職しました !」

その強い進めが後年再会への誘いになったのである、

その役所は、仰ぎ見る日本の基幹官庁、キャリア組だけが

到達する椅子、私は感激に震えた。

「Sのおじさん、強い人とは弱い人を助ける人のことですね!」

在りし日の少年の目にも涙が滲んでいた   !?

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