「同級生でお前が一番変わった !」高校を中退して大阪に職を求めた友の述懐である。
小中の同級会が大阪で開催されて、彼Aと気がついたら遊んでいた本当の竹馬の友Bと3人でホテルの一階ロビーで朝6時まで語り合った中でAが呟いた言葉である。
それほど私は目立たないおとなしい子供だった、その上弱虫、自己主張をするでなく同級生の中に埋没していた。
4月生まれと3月生まれは年上年下の違いがあって、体格の差もクリアーできない壁として立ち塞がっていた。
気持ちの上では決して負けない何くそ魂があったが体格の違いは特技のない自分にはどうにも取りのぞけない壁だった。
高校卒業まで辛抱の歳月を要した、これから脱却できるのは松山での空手修行からである。
それまでの体格コンプレックスが長身相手に向かう気力で解消する、しまいにはカモとするほど気にならない存在になっていた。
同等の実力なら素早く踏み込むことで先に相手に突き蹴りを叩き込めた、全く苦にならなくなったのである。
自信がつくということは、その後の実戦経験を踏むことで次第に度胸、胆力が付いて行くことにつながった。
私は空手を習い始めた若者達が陥る「意気がって横着になる!」ことは全くなかった、長い月日に耐える習慣が付いたことで自分の領分を弁えていたからである。
小中の友は勿論、高校の同級生達も社会から耳にする噂話で私のことを再確認していく、別ブログ「Kとドス」のM・T通称Kに対するように昔のままのSを通した。
昨夜の「小雨降る夜の男歌」の野球部のAのように後輩はじめ周囲から知らされて私の変遷を知るのである。
高校の番長グループが私と肝胆相照らすようになるのは無言で生き様を見せた私に敬意を表するようになってからである。
私流にはこれで良いのだと思っていた、別段粋がってねじ伏せる必要もサラサラないという自信からである。
面白い現象を紹介する、
昨年、故郷で高校の普通科、園芸科の初めての合同同級会を開催した、仲の良い普通科のCが酒に酔って幹事役の私を顎に使って小言を言い募った。
園芸科の面々は私の顔と見比べて不快な顔をしていた、私はそれを承知でCの横暴を聞いてやった。
結論は彼はその町での私の武勇伝を知らない、昔のままのおとなしいSが目の前にいるだけなのである、園芸科の連中は私が怒って手を!出さないかと案じでいたのである。
男は黙ってナンボ !
男が本当に怒るのは国が危うくなる時である、同じ日本人じゃないか、些細なことはいい、仲良くしようぜ !
力でねじ伏せなければならない形もあれば、雰囲気で納得させる形もある、私の性格は当然後者ということである。
先般も仲良しの同級生Dと長話をした「コロナが収束したら・・・?」同級生のお墓詣りをしたいという「一緒に連れて行ってやるよ !」
少し涙声の混じった喜びの声が帰って来た。
もうお分かりだと思いますが、男にはいろんな個性の性格がある !それを調整、仲を取り持つキーマンがいれば、そのグループはうまくいく、先生のいない社会学級 ! 私がその任を務める。
いじめられっ子少年の到達した社会への恩返し、とり持つ教室に笑いの花が咲く。
男達から言われる「Sは男だ !」も良いが、それよりも大きなご褒美は
「Sさん! 頼もしい ! 男らしい !」女性達からいただいた うっとりとした羨望のため息 !
これが私の大切な勲章になった。
男はおだてに弱い・・・
そういうところで日曜の午後を迎えています !?