寒い朝だ、
気高き友を偲んで自然が手を合わせている、夜半、私の目からおびただしい涙が流れた。
良い奴だった!幼い頃はガキ大将、稼業の商売を継いでからは耐える人に変わった。
小金のために、我慢を重ねた、奴も男だ、たまには愚痴も出る私はそっと相手に彼の優しさを伝えた。
仲を取り持つということは、優しさを前面に出すこと、「何!」は方法がなくなってからの話 !実力行使、腕力に訴えるのは愚の骨頂 ?
幼い頃から腕自慢マトモに相手をすれば叶わない、そんな男が頭を下げる商人になったのである。
幼い頃は、いじめられっ子、そんな私には彼の我慢の商い道が痛いほど分かった、
「Yやん!」 「Uさ!」 交わした友情が切ない。
今夜は、そんなサムライのお通夜、行きたいけど行けない事情、だから我が家で見送る、明日の葬儀告別式には参列する。
泣かないつもりだが、奴の辛抱を知ってるだけに、涙が勝手に落ちるだろう ?だから、同級生の席から離れて見送りたい。
大切な友が又、一足先に天国に召された、
「お前達より後に残って すまん!」
「後始末して行くから、待っていてくれ !」
寒い朝だ、小雨が男を悼んで泣いている、我ら同級会の名前の由来、故郷の蕪島 (沖の蕪島、陸の蕪島 ) が友の死を悼み白波を見せている。
少し先に旅だった、同級会の名付け親、K・Oが大きな顔をゆがめて手招きしている、
「Uさよ! ご苦労さん ! 仲間が待っているよ」
天国は、先人達の楽園、この世の役目を終えたUの安らぎの花園、
私は、そのように思っている、じゃないと切ないもの !
大切な友、U・K
「お前さんは、 偉かった !」
心からご冥福をお祈りいたします。
合掌。