小雨の降る土手沿いの道に出てみた、垂れ下がった雨雲が何故か人恋しい。
砂混りの中州に目をやると僅かに見えていた河原が 水の流れに変わっていた。
土手の一角に小さな石碑がある、信心深い人が一円 五円 十円硬貨を小さな瓶にそっと納めて手を合わせる。
私もいつも手を合わせる散歩道である。
その時、何か小さなものが目に止まった2~3センチほどの 2匹のこおろぎだった。
作曲家 船村徹先生の名作 男の友情の歌詞に心のこもるセリフがある。
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男の友情 歌詞参照
こおろぎの よちよち登る 友の墓石
滑り落ちないよう必死にすがりついている、まず上のこおろぎが落ちないように、そっと手を添えた、ところが滑落。
次に下のこおろぎに、同じく手を添えた、やはり驚いて、草むらへ落ちた。
こおろぎの よちよち登る 友の墓石
船村先生 これを見たらどう言うだろうか ?
こおろぎの よちよち登れぬ 友の墓石
それでも、寒いのならば、私のぬくもりをわけてあげたい。
歌は作詞家と作曲家のハーモニー、そこに情感のこもる歌手の歌が重なって物語が展開する。
重信川河川敷、
その自然の中に私は抱かれている、こおろぎの よちよち登る友の墓石、トンボが待って(舞って) いるよ、がんばって登って来い !?