私は鬱陶しい思いの時は演歌をぶっ放す、その主人公に成り代わって物事に没頭する。
この頃は、一昨年の暮れの忘年会のカラオケ三昧のカセットテープを聴く。
竹馬の友と4人でまわし歌、全く童心に返っていることに気がつく、その中で今でも感動するのは♪ 君は心の妻だからの曲である。
その日、調子の悪かった私は声量が全く出ず、聴き取れなかった、3番に入ると同時に打ち合わせもなく他の3人が一斉に歌い始めたのである。
思いもよらぬ友情のハーモニー、見事なアンサンブルを奏でてくれた、車で聴く「君は心の妻だから」は思い思いの妻の顔と過ぎ去りし過去の想い出に引き戻されていた。
友は良いナア! 私の何かを感じたのであろう、見事な合唱に盛り上がった、歌詞と曲がマッチして最高潮・・・
「君は心の妻だからアアア~ !」
失敗作の筈だったカラオケテープを私は音量をアップして聴く !不思議なことに伴奏の音量が低くなって私の拙い歌が耳に届く、自惚れではないが情感の伴った味のある唄だと自画自賛している。
小節もちゃんと回っている! テープはちゃんと車のお供をしている。
演歌で私が目指すのは、大川栄策と秋岡秀治の最後の泣くようなオブラート、これをものにして、誰かさんを泣かせたい ?「むせび泣き」と言うやつである。
「Sさん! 素敵 ! ◯◯よ !」もっと若けれゃあ言わせたのに ? 歌は、どこまで行っても立ててくれる、この時だけは主人公、 メロドラマの主役 ! そして悲劇のヒロイン !
歌は良い、演歌は日本人のアイデンティティー、今宵もうたいますか !
歌よ! おまえは !?