最愛の主人を失い、失意も乾かない内に子息との別れ、なんと理不尽な人生だろうか、数十年ぶりに会う君は毅然と佇まいを崩さなかった。
昔のままの通称で呼びかけた、そして昔のままの無邪気な返事が帰って来た、「Fよ!」よく頑張ったね !
その時は、いたわりの気持ちが勝って笑顔だけだったが、こうして1日過ぎてパソコンに向かうと哀しみを笑顔に隠した君を想って涙が頬を伝っています。
偶然なのか? 故意なのか !
ちあきなおみ ♪ 惜別の唄 がYou Tubeから聴こえています。
勝気でそして無邪気な君に色気は全くなかった、だから男女にしては理解不能の兄と妹の関係が続いたのだろうね ?
人生はこの再会に奇跡でもない事実をもたらせてくれた、故郷港町で男を向こうに回して奮闘した女性が居る。
「お前さんに色気はあるのかい ?」私が以前のブログで紹介した妹Aちゃん、想像も出来なかったことが判明した、なんとFの亡き主人とAが身近な親族だったのである。
義理の間柄だがこの二人の女性と私は兄と妹と称して来たのである、もちろんFもその偶然に驚いたが、もうひとつ驚くことが起きた !
私の実家の2軒隣に竹馬の友兄妹がいる、この妹が私の初代の妹Tなのである、ところが、このFとTがお互い近所で仲良しなのだという、さすがのFも驚いて口あんぐりだった。
人生の綾、人の縁の不思議、Fは現在も医療の道に携わっている、経済的にも世間的にも悠々自適の生活が保証されているのだが現場が自由にさせてくれない。
「もう少し勤めたら引退よ!」
彼女は、元気な声を出してハンドルを握った、声と所作は昔のまま、しかし、肌艶は元気な張りを見せている、そして帰途についた、
「がんばれよ ! 負けるなよ ! 二人はいつまでも兄貴と妹だよ !」
夕焼け雲が西の彼方に浮かんでいた、哀しみを乗り越えて !
幸せなことに長男は一流企業の海外勤務で要職を占めている。
孝行息子と健気な母、この二人の家族に幸あれ !
人生は最後まで投げぬ事、努力は報われる、 Fよ !?