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日常生活

お彼岸 ご主人様 ウェルカム

空もようが悪いな、雨にならなければよいが。

家族の都合によりふるさとへのお彼岸のお墓参りは延期に
なって、その代わり仕事を兼ねてある街のある方の墓地へ
参拝することになった。

車へ参拝の一式を積んで出発しようとしたら携帯が鳴った、
連休明けに仕事で一緒になるA市のB先生からだった、
私の紹介で2市に股がる仕事、C市へ向かう手続きである。

何せ、連休に入ってから日時が決まったので、銀行・リスナ
との打ち合わせは当日朝になる、その旨の連絡だった。

質実剛健、余分な話はご法度の寡黙な司法書士である、
B先生との出逢いと仲良くなる過程は一種のテレビドラマ-
を髣髴させる、それは いずれ又・・・?

私は、仕事もそうだが人間関係に於いて辛抱強いところがある、
相手の性格、生き方が分かるまで下手に出る場合が多い。

「分かりました、それでは当日の連絡を待っています。」
準備する書類関係、リスナ-が準備する費用の打ち合わせだった。

休みなのにB先生も大変だ ?
「その代わり費用は十分請求してください」この仕事はそれだけの
価値がある、双方にとって少しも不満のないセッティングなのだ。

アクセルを踏もうとした、その時、また携帯が鳴った・・・
D社のD社長からだった、ある作業に着手すると言われる・・・
「充分、専務と話し合って決めてください」 高価な代価がいる。

これから向かう街で、閑静な田園地帯の中に豪勢な居宅を構える
社長である、一代でのし上がった事業家、晩年の姿を見送ることに
なった、その後始末の一翼を担う。

人の縁の不思議さ、出逢いと別れ、成し遂げた人の去り行く姿を
見送る栄光に接した幸運、誠で答えることが私の務め、心に愛を。

峠は小雨の中に煙っていた、(少しばかり困ったな ?)
車は等間隔で走り続ける、目的地に着いた、お彼岸と云うにお墓は
枯れたシキビとその枯葉で汚れていた未だ家人は見えていないようだ。

隣の墓地に中年の夫婦の姿が見えた、
私はその時気がついた、知らぬ間に雨があがっていたのである、
青空さえ見える、去年も確かにそうだったがこの墓地に着くと雨がやむ。

夫婦と挨拶を交わした
「雨かと思っていましたが止みましたね」 ご主人がにこやかに
答えられた、「止みましたね、良かったですね。」

お墓参りは人と人との垣根を取り払う、和やかな会話を宿してくれる。
近くのストアで新しいシキビとお供え物を購入する、
再び墓地へ、水を入れ替えて綺麗に掃除した、シキビがすがすがしい。

線香の煙が緩やかに昇っていく、ご冥福と残されたご家族のご多幸を祈る。

その後、大規模店舗に向かう、次の訪問先へ電話を掛けた、
「ハイ!」 懐かしい声が聞こえて来た、私の交友は全県に跨っている、
大駐車場から車をスタ-ト させた、一路 西へハンドルを・・・。

カ-ナビの爽やかな美声が車内に響いた、 「ウェルカムご主人様。」

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