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人生

青空の向こう 想い出

青空の向こう 想い出

前方に広がる青空、雲ひとつない空が開けていた。

車は、私が初めて仕事をもらった県都松山市堀江町 !貧乏苦労の最中に僅かな報酬と大きな希望を恵んでもらった町である。

もう随分前になる、複雑な思いで通った道、肉親の脆さと限界に打ち萎れた通い道だった。

私の事業が大きく変わった土地、人間の身勝手と薄情を嫌と言うほど味わった苦難の一里塚だった。

それから沢山の善意の人に恵まれて、立ち直って行くのである、苦難の道、再起の道、希望の丘、奇しくも竹馬の友の終の住処になる町でもあった。

青空を眺めながらハンドルを握ると様々な感慨にとらわれて過去に向かった、( よく頑張ったね !) 青空から懐かしい人の慈愛の声が聞こえて来た。

一時は気力も萎えて健康を害した、それに挫けず崩れなかったのは、自分のことは横に置いて転校間もない子供達の辛い日々を思いやったことである。

自分の事だけにとらわれると、苦労を克服できない、身近な人間の悲しみと涙を考えると耐えざるを得ない、そして耐えれた。

いじめられっ子の時代の・・・「なにくそ!負けてなるか!」の踏ん張りが大人になっても生きたのである、他者を思いやる私の信念が結局我が身を助けることになる。

世の中で他人を思いやる人は少ない、自分本位の我が儘が大手を振ってまかり通る、そんな人は降りかかる危機に弱い。

見た目には強いはずなのに、私と相対して胸の内を曝け出すと踏ん張りの効かない弱さが露呈する、常日頃人の為に尽くしたことがないだけ精神ともに対応出来ない。

学習机の引き出しに経験則が空っぽなのである、だから応用がきかない、大勢の中の庇護に慣れすぎて、一対一の真剣勝負に弱い。

警察の刑事さんには申し訳ないが、組織に守られた社会から、一歩別の道に踏み出す、又は引退後、何事か身につまされると案外脆いところがある。

警察の関係者は何事かあると必ず数名で対応する、だから心強いが、私がいた客商売は殆ど一人での対応である。

腕に自信のある従業員がいれば助け合って対応できるが私の場合は殆ど一人での対応を余儀なくされた、普通の人は修羅の場そのものが怖くて何もできないのである。

ビール瓶の底を割って突いてくる、又は降りかかる、時には出刃包丁に直面する、穏やかなはずの客商売が修羅の場に変わる、大変な世界なのである、だから私は店側の苦労が分かる、だからこちらが相手をいたわるのである。

今現在の危機に会うと、過去の経験則の引出しを開く、危険の中で呻吟した貴重な知恵が我が身を助ける。

想い出 青空の向こう   !?

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