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思い出

さよなら夏の日よ

さよなら夏の日よ

よく利用しているコンビニの駐車場に入った、冷房の効いた車内に外の熱風が勢いよく入って来た、「うわあ!暑い  !」

燃えるような暑さ、ところが数分後に奇妙なことに気がついた、頬に触れる風が爽やかな冷たさを含んでいたのである。

不思議な感慨が襲って来た、私が生まれた半農半漁の片田舎のある場面を思い出したのである。

私の生家は海のそば、6m程の幅員の海岸通り、コンクリートの坂道が砂浜へと下っている、ここに寝そべって海を眺めると2つのかぶ島とその向こうに大島が見える。

子供心に様々な想像を膨らませて我が身の明日を夢見た、大家族で多忙な両親との会話は限られていた、だから親子の膝を交えた思い出はほとんどない私である。

近所の同年代との遊び、その思い出が深く刻まれた幼年期だった、幸いだったのは良きも悪しきも彩りの違う先輩方の叱咤激励が性格を形作ってくれた事である。

大島の西に沈む夕陽が孤独な私を支え、切なさを慰めてくれた、この地を出るまでの私は泣き虫よーやんのままでいた。

男とは、真の勇者とは !  それを知るのはふるさと港町に居を移してからである、あの坂道で眩しい西日を浴びて私の何かが弾けた。 

南国のリアス式海岸の夏の日は特に暑くてキツイ、うだるような暑さと形容する夏日は幼少期の記憶と共に脳裏に刻まれる、その記憶に残る涼しい風は海から帰る向かい風   !

一服の涼 !  砂漠に現れた小さなオアシス、命の泉、感激 ひとしおである。 

うだるような暑さ、その頬に触れる爽やかな冷風、まさに命の泉  !

「Sさん !着きましたよ、先に入っています  !」

お茶会の相手Y君からの電話  !楽しいお茶会の始まりだった。

好漢Y !  文武両道に秀でたラガーマンでもある「押忍  !」

夏の日の恋、夏の雨に打たれて、夏を悲しむ別れ歌、

真夏日が早く来過ぎた思いがしているがそれでも夏の日よ。

私には思い出が多すぎる、さよならの夏の日よ   !?

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