降る雨愛しい   涙雨

さわやかな雨が野山を濡らす、我が家にもお裾分けの雨が降る、強風を伴うかと思うと、人の心を打つように音も無く降る。

一夜明けた重信川に土色の濁流が世の中の憂いを下流に追いやる。

切なくて泣く者、怒りで我が身を叩く者、戦いの結末は千差万別、古き者が去り新しき若人が産声を上げる、世の習いとはいえ胸を去来する想いは切ない。

負け戦の絶えなかった私だったが、ここに来てようやくお天道様はご褒美をくださった、それも縁の下の力持ちに甘んじた私にである。

これからの若人の檜舞台への道行きに、伴走者として細やかな喜び、しかし、そこに流させた涙は値千金、価値あるものだった。

涙は本人の意識とは別に、出てくるものですね ！関西の地で私を案じてくれる女性に私は伝えた。

戦い済んで日が暮れて、嬉し涙を伴った涙雨に私は感謝の言葉を捧げた。

この数日、私は貴重な教訓を頂いた、人はどうあるべきか、己がそれを欲するなら、まず先に他人に与えよ、己は後回しで良い、先人に学べ。

多くの人と語り合って、自分にない功徳を授かった、

「Ｕ先生！   Ｕさん！」

若い人の瞳が輝いていました、年長者の口元から優しさのシンフォニ～が流れた、

馴染みの安らぎの私の園は、既に数台の仲間たちの車が涼を取って休んでいました、河川敷は上流に降る涙雨を集めて水嵩を増し下流へと急いでいました。

戦い済んで日が暮れて、人間の生業の前に、河川敷に身を寄せるか弱きものたちが涙雨を避けて身を寄せていました。

「君たちと何の違いがあるものか ？」「私達だってお天道様のお使い、兄弟仲間なんだよ ！」   

降る雨愛しい   涙雨　　　！？