望郷 みなと町
今回の同級会は、私にとっても言いようのない感動に胸が熱くなった、日頃から何かあると私に電話をくれる旧家に嫁いだMちゃん。
ほとばしる苦労話に最初は固唾をのんだ同級生が終いには揶揄を込めて冗談を発した。
しかし、私は別の意味で彼女の必死さを受け取っていた、舅姑の苦労話は現在では、攻守逆転して姑が泣く番なのである。
彼女の冗談を交えた悲痛な訴えは、それだけ嫁いでからの辛さが身に染みて私の男気を突き動かした、血のつながった親戚関係、亡き母の泣き顔が彼女Mちゃんに二重写しになった。
金銭的には恵まれた旧家の大家族、人知れず夜毎の床を濡らしたであろう結婚生活、その時の辛さと怯えはなかなか消え去らないのだろう。
日頃の快活な会話を交わす彼女を知るだけにその必死さがよくわかる。途中、冷ややかな笑いもあったが、ある場面で私は中に入って擁護した。
「あなたはよく頑張りましたよ、立派に子育てもやり遂げましたよ」
私の嚙んで言い含めた言葉に彼女の平常心は戻った、笑顔が返って来た。
そして今朝、一番に明るい声が私の鼓膜をそよいで泣かせた、
素晴らしい親孝行の話がもたらされたのである。
「そう! そうなんだ良かったね !」
彼女の 「ありがとう !」 の声が震えていた。
関西の友たちは来なかった、当然、二次会の賑わいもなかった、私の杉良の
♪ なやみ も又の日のお預けになった。
・・・
♪ 左の腕が 今朝はしびれる
お前の肩抱き ひと晩眠った
男のアパ-ト 訪れた
お前の場合は あそびじゃなくなる
これでいいのか 間違いか
出来ればこの手で しあわせあげたい ♪
★
さすがは、久仁先生と遠藤御大、
私の望郷 港町が 瞼の裏で泣かせてくれる。
・・・
♪ なやみ
作詞 : 久仁 京介
作曲 : 遠藤 実
望郷 みなと町 !?
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