中学校卒業以来の再会でした、
あの頃のあなたは他の同級生よりも控えめな人でしたね。

お家のことも知っていました、親のためにがんばる人
でしたね。

消息が途絶え、還暦から始まった隔年同級会にあなたの
姿は見えませんでした、
大阪に居るよとの声は聞くものの依然としてあなたの消息は
不明でした。

けっして裕福ではなかったが、家族みんなでがんばって
居ましたね、そんなあなたを私は黙ってみていました。

Ｕちゃん、ふくよかで幸せそうなあなたの顔を目にして
私は胸のつかえが取れました。

(ああ! 幸せな家庭があるんだ、家族に囲まれているんだ)
私は、なによりもうれしく思いました、

人は皆分け隔てなく幸せになる権利があることを再認識
しています。
Ｕちゃんはご主人の病気で来れない
Ｋちゃんは孫の守で駄目なんだってよ　？

ほかにもさまざまな理由で来れない人がいましたね、
あなたが今までそうであったように、いろんな事情が有るん
だね　？

別れる時のみんなの気配り、すごかったね　？
重い荷物のあなたに、みんなが囲んで支えてくれましたね、
そんな友情想像できましたか　？　学校時代のライバル心や
女性特有の嫉妬心等　みじんもありませんでした。

支えあう友の友情、いたわりの真心、すばらしかったよ。

そんな女性同士の姿を見て私は思わずつぶやいた・・・
「Ｕちゃん、今回はあなたが女王様だよ！」

乙女のようなあなたのほっぺがぽっと赤く染まった。
みんな異存はありませんでした、Ｕちゃんが女王さま。

故郷は、悲しかった思い出ばかりでは有りませんでしたね、
宝石のような友情と母のような愛に包まれていましたね。

お父様お母様、そしてやさしかったお兄ちゃんも亡くなって
いました、
生まれたお家も在りませんが、あなたの故郷は私たちと同じ
村に在るのです、
いつでも帰っておいで・・・

あの空港の別れのシ－ンは、帰郷してからの出来事とともに
忘れることが出来なくなったでしょう　？

女王さまにもいろいろ有って、
あなたには、心美しき人が、苦労に耐えた人が　もらう
がんばりましたね女王さまです。　友の笑顔も素敵でした。

Ｕちゃん、お帰りなさい、
又、帰っておいでよ、

友情は墓場まで一緒だよ。

胸を張って　今宵あなたは女王さま、その笑顔忘れないで。