この歳になって花粉症とは ?
先般、行きつけの病院へビタミン剤を貰いにいって、
院長の診察を受けた。
「目じりが痒くて鼻水も出て困ります、何でしようかね先生?」
私は、軽い気持ちで症状を伝えた、ところが院長の答えが予想外
なものだった、
「ああ! 花粉症ですね、飲み薬と目薬を出しておきましょう、」
私にとっては青天の霹靂、まさかまさかの花粉症である ??
ひとが花粉症の辛さを言っても、全く他人事にしか思えなかった ?
それが我が身に為るとは ?
「どうして、どうしてなの!」 と愚痴のひとつも出ようというもの、
土曜日というのに、仕事の予定が目白押しのため、お客さんのお宅へ
お邪魔する、それも3軒ときている、
似つかわしくないマスクをはめての訪問である、
「どうしましたかSさん ?」 何処も同じ質問を受ける、
「この歳になって遅咲きの花粉症です・・・」
「花粉症ですか、お気の毒に・・・」 その内のひとりに言われた、
「Sさん、老いらくの恋が始まるかもよ ?」 顔が笑っている、
「もう、そんな馬力も欲もありません、花粉症に惚れられるのが
落ちですよ。」 外は雨、一両日の暖か日和が逆戻りの寒さとなった。
その内の一軒は、奥さん手作りの焼きそばをご馳走になった。
「大事な身体です、気をつけてください」 人の奥さんに慰められる。
帰り道、花粉症のせいばかりではない、可笑しなクシャミの連発・・・
(噂にのぼる内が花、噂にもあがらなくなったらおしまいだもの ?)
奇妙に自分に言い聞かせて家路を急いだ、
季節はずれの花粉症、家には、朗報が待っていた。
歳を忘れた花粉症、付き人あらずで年寄りに飛びついた、
おいでよ、ウエルカム おいでよ 花粉症 せめてあんたが惚れとくれ。