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雑談

雨よ もうこれ以上降るな 中洲を壊すな

三日前の朝、相変わらず空から落ちる雨が激しい、
我が家のCCちゃんと軽四自動車で土手へ出かける、
たとえ雨でも、トイレは必須である。

車を降りてまず竜神様へ御挨拶、いつもの河原が濁流で
溢れ、物凄い勢いで下流に向っていた、轟々とまるで地獄行き、
目の前の景色が全く様相を一変させていた、水の怖さである。

CCちゃんとそれを見ながら何とはなく(中洲まで浸水すれば
大変だ、まさか野良犬たちが取り残されていないだろうな ?)
頭をよぎった雑念が数秒後に現実となる !

何時もの三分の一に狭くなった中須が目に入る、何か小さな物が
目に入った、それも動いている ( まさか?) 嫌な予感が的中した、
黒色が3匹、茶色の犬が3匹 合計6匹の野良犬が中州に取り
残されていた。

( しまった! これは困った!) もうその時、中州の周囲は水嵩が
増して、濁流の流れは人も犬も脱出できる状態ではなかった。

中州の西端に至っては10m先に落差2mの滝である、轟音を
轟かせて水柱が上っていた、(これは無理だ! しまった。)

その日の夕方、仕事からの帰り道、其処を通る、中須が更に狭まって
いるではないか、犬達はこちらを向いて悲しげである。
ある準備をして自宅からUタ-ン、距離が遠いことと濁流に阻まれて
断念、中須が水没しないことを祈る。

胸の痛みを抱えて朝を迎える、CCと再び土手へ出る、中須が昨夕より、
広がっていた、少しだけ安堵・・・
( 雨よ 降るな! 雨よ 止んでくれ!) 今回ほど必死に思ったことはない。

3日目の朝、犬たちは雨の中、2匹一組で離れ離れに座っている、何かを
見たのか突然大き目の犬達が鳴きだした、鳴く元気があれば少しは救われる。

しかし夜6時半、暗くなった中州に犬達の姿が見えない、帰って懐中電灯を
持って出る、暗闇の中で目が光った、どうやら座ったままのようである。

私が、気がついて3日目、雨にたたられ、食事もなく、取り残された犬達の
体力が心配である、救出する手立てはない、竜神様に雨が降るのを止めて
くださいと祈る。

これ以上降り続くと中須が決壊する、犬達の命が助かることはない。

雨を降らせて下さいと雨乞いをすることがあっても、雨が降るのを止めて
くださいと祈るのを聞いたことはない。生まれて初めてのことである。

無情の雨、重信川に降る雨は、慟哭の雨になるのか、それとも歓喜の救出劇に
変わるのか、神のみぞ知る領域に差し掛かっている。 

「 神様、お天道様、いたいけな犬達にその手を !?」 無情の雨が窓を叩く。

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