雑談

少し遅れの和霊さま 夏祭り

今日も暑くなりそうだねCCちゃん、少し遅くなったが土手へ降りた、
数日来の晴天で河原の水の流れが細くなっている、数匹の野良犬が流れ
のよどんだ水際を上流に向ってゆっくりと歩いていた。

トンボの大群が緩やかな舞を見せて目の前を乱舞する、声を出して呼び
かけてみた、人間の酔っ払いのようにフラフラと寄って来るもの、また
遠ざかるもの、それはしばらく続いたが、やがて視野から姿を隠した。

リハビリティ-ション病院に入院中の友が午後退院するので余裕を見て
訪ねたが、あいにく入浴中だった、病院近くの急傾斜に在る蜜柑山やや
広い農道に車を止めて時間待ちと相成った、木陰のその場所は爽やかな
風が心地よく吹いていた。

脳梗塞で倒れ3月初めから入院してリハビリ-に励んでいたが、ようやく
主治医から退院のお許しが出たというところである。

自分の家に帰りたくて、理学療法士の先生にし切りに訴えていたが最愛の
妻の待つ我が家へ帰ることが出来る、妻 次男 長男の順で迎えに来た。

病院の皆さんのお見送りを得て玄関へ、車椅子を押す私は、彼の肩にそっと
手を置いた、あのたくましかった両の肩幅が細く小さくなっていた。

学生時代は、陸上部の主将、社会へ出て空手に打ち込んだ内面剛毅な男で
ある、必死に私に訴える言葉は聞き取れにくいが、彼の思いは十分伝わって
いる、奥さんの運転で助手席に座る彼に見送り最後の言葉を掛けた・・・

「私より先に逝ったらいけんよ! 又逢いに行くから元気でいてよ !?」
家族が目を赤くして私の顔を凝視した。
50数年来の付き合いである、彼は助手席で声にならない嗚咽を漏らした。

脳梗塞再発作になると二度と元気な姿を見られなくなるかもしれない ? 
そんな思いから不覚にも私は涙が出た。

友を乗せた車は病院の緩やかな坂道を下って行った、獅子文禄の描いた闘牛の
街、仙台伊達藩ゆかりの街、私の祖母が育った街でもある、友は恋焦がれたその
我が家へ最愛の妻の運転で帰途に着いた。

人の出会いと別れ、この歳になるとその生業が短期間で織り成される。
春にあの世へ旅立った同級生もこのリハビリティ-ション病院で1昨年4カ月間
リハビリに頑張った、その脳梗塞は回復したがその後のガンで力尽きたのである。

遥か眼下に広がる道後平野、松山城が昔と変わらぬ姿を見せていた、白い入道雲が
覆いかぶさるように身を乗り出して友の退院を祝福していた。

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