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雑談

思い出ぼろぼろ 男は黙って・・・

ちょっとくだけた話をしてみましょうか ?

入浴を済ませて一段落して5年前の別ブログを覗いてみた、
若かりし頃の殺伐とした場面が思い出された。

ある顧客Aさんの依頼で簡素なアパ-トを訪ねた折である、
土地の売買に絡んで登記が出来ていない為その手続きに関する
打ち合わせのつもりだった。

殺風景なアパ-トの一階のドアは冬だと言うに開け放たれて
いた、小さな玄関は履物で雑然としていた。
Aさん覗き込んで奥に向って穏やかに声を掛けた。

何の返答もないので諦めて帰ろうとした時である、
「なんじゃい! なんか用か ?」いかつい顔の大男が薄着で
顔を出した、

普通の市民なら震えるほどの強面である、肌着一枚 ステテコ
姿、両腕と膝から下に独特の模様が有る、刺青か ?

怒涛のごとく啖呵が飛んで来た、ところがAさん動じない、
普段どおり淡々とした言葉遣いで要件を伝える、うん ??
その落ち着き具合に若者は更に血が昇った !

狭いドア一枚の玄関だから、私はAさんの後ろに立っていた、
身体を乗り出して若者は喚く、きちんとした言葉でなく怒鳴り
声の連発である、今にも拳と蹴りが飛んできそうな剣幕だった、

どうもお目当人の息子のようだった、

「親父さん訪ねて来たんよ ?」Aさんは穏やかに話しかける、
怒鳴りながらも若者は「病院に入院して、今 いないんじゃ 
それがなんぞ !」

要件伝えるも怒るばかりである、途中私が交代して訪問の理由を
説明した、私に20~30センチの間隔で身を乗り出している、
一発パンチか足蹴りを見舞われそうな状況だったが、少し和んだ
ので 要件を伝えて引き返すことにした。

それにしてもAさんの恫喝に動じない平然とした態度は何なのか、
自宅にお邪魔した時目に入ったもので合点がいった、空手道◯◯流
◯段の額縁が鴨居に掛けられていた。

その日の夕方、Aさんから電話がかかってきた、若者の氏素性が
分かったとの報告だった。 (やはり、そうだったか ?)

それにしても若いということは、別の世界で生きる男伊達は
何故にあんなに威勢が良いのか、いきり立つのか ?

生きるための方便だとは分かるが、余りにも傍若無人ぶりは
世間のひんしゅくを買うはずである、渡世に生きる者は難儀
だね! 

実はそういうAさんも異質な世界にいる人と知ったのは後の事
だった、「知らぬが仏」 「君子危うきに近寄らず」それ以降
私の座右の銘になったかならなかったか ?

努めて強面さんからは遠ざかるようにしている、
「来れば避け、目は合わさずに、座を離す。」
「好き好んで渦中の栗は拾うまい、安全第一」

若かりし頃のやせ我慢、怖いもの知らずは、当に捨てました。
「Sさんの目はキツイ!」  といわれた若い頃、
「Sさんの目は何故にやさしい ?」 今、喜んでいいのかね ?

模様入の若者と数日後合間見えることになる、その顛末は後日、
黒の上下のス-ツ姿、礼儀を弁えた男二人、その豹変に驚いた。

私は、職業で人を差別しない、金持ち 貧乏人で区別しない、
自然体で臨むところに相手の心が和むようである。

一服つき過ぎたかな ? 降っていた雨が止んだようである、
男達の挽歌を振り返っていた、男って奴は、こぶしを握るときは
来る、それまでグッと我慢の一文字、国難の時まで隠しておけ。

押忍

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