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雑談

別れて後 有り難味を知る 妻よ

苦労をともにした妻の死ほど悲しい別れはない、
「妻が手術するのよ」そう聞いたのは春も終わりの頃だった。

その後の様態が気になっていたが日々の仕事に追われて見過ごして
しまった、「奥さんどうですか」の連絡を失したのである。

12月に入って直ぐ喪中見舞が届いた、今年も沢山の喪中ハガキが
送られて来たので些か気分も滅入っていたところである。

「ええ、何! まさか奥さんが?」いつわざる気持ちだった、
そうしてお悔やみにお訪ねした次第である、
辛い気持が癒えるのは人によってそれぞれ異なるが、彼の場合は
淡々と私を迎えてくれた。

心の葛藤はいかばかりであっただろう、お線香をあげさせて貰った、
お子さんが近くに居るので心強いようだが、他家に嫁いでいるので
夜ひとりになった時、別れの悲しさがこみ上げて来るだろう。

男ってものは、日頃強がり言っても、いざと為ると、家内を失うと
脆いものである、今まで男友達の侘しい後姿を幾度と見たことか、
特に付き合いの狭い男ほど残された日々が哀れである。

その点、交友関係の広い男だけに、うらぶれた黄昏を乗り越えて
くれるに違いない、又私としてもフォロ-してやりたいと思う。

手作りのコ-ヒ-を煎れてもらった、普段は飲まないブラックだが
彼の気持ちを察してありがたく頂戴した、彼の喪失感が苦味となって
舌を刺激した、ふたりで語り合いながらゆっくりと味わって飲んだ。

お互い楽天主義なところが共通、楽しい雑談で訪問は締めくくった。
次の時間を約束して彼の家を後にした。

夕闇は男の胸の内を揺さぶる、くるまのヘッドライトが帯状に行きかう、
この一日、一日を大切に、日頃忘れている伴侶の有り難味を再確認
させられたお悔やみだった。

謹んでお悔やみ申し上げます。 安らかにお眠り下さい。

別れて後 有り難味を知る 妻よ” に9件のコメントがあります

  1. 杉の子さん。

    久し振りのコメントです。
    今から約35年前に母を見送り、同じ年に父を亡くしました。
    コスモスは幸いなことに両親の最後をただ一人見送ることが出来ました。
    でも、こんなに悲しいことがあるのかと思われました。
    体に穴が空いてしまい、心もとない寒い感情でした。
    こんなにも悲しいことがあるなんて・・・と思ったのですが、伴侶に先立たれる
    ことは、これまでにない思いを知らされました。
    自分の感情が何処を彷徨い、何処にあるのかさえ分からず、悲しいのかさっぱり
    分からないような状態でした。
    まだまだ、女性の方が現実にしっかり根を下ろして(そう見えるだけなのかも)男性は奥さんを亡くすと
    皆様生きる張り合いを無くされる姿を見せて貰います。
    でもどちらにせよ、今まで声、そこにいた温もり、寄り添っていた様々な感情を
    失ってしまう哀しみは、たとえようもないですね。
    自分の生きる張り合いや気力が残っていたとしても、やはり夫や妻の空間はなかなか
    埋められないものです。

    杉の子さん。そして、onecat01さん。
    お二人ともご夫婦揃ってご健勝です。
    このことは、本当に大いなる者のご褒美だとつくづく思うのですよ。
    原因結果の法則で、やはり、ご夫婦仲良きことは良いことなり・・・に通じると思うのです。

    エヘン! コスモスのお説教ですね。
    夫を亡くした妻のやっかみだと堪忍して下さいまし。

  2. コスモスさん、
    おはようございます、愛媛は寒さに震えておりますが、そちら沖縄は暑い最中とお聞きいたします、
    どちらにしても我々年代になりますと堪えますね。

    肉親との別れほど悲しく切ないことはありません、私の経験から申しますと、同居するなどいつも
    一緒に生活していた人の死ほど別れは辛いものになります、離れている人の場合は、常に顔を合わせて
    いないだけ、その悲しみは軽くなるようです、これは私の体験から来る別離の感情ですが。

    別れが有ると又出逢いが有る、祖父母、両親、兄弟姉妹、友人・知人との別れ・・・
    新たな出逢いがおとづれる、子供の結婚による嫁さんや婿さんとの縁、そして嬉しい孫の誕生、

    人間はこうして輪廻の元、去り行く縁があればやって来る縁が有る、人間関係の不思議なところ、
    大切にしたいものですね。

    コスモスさんや深水さんとの出逢い、豊饒の海が開けていますよ。

  3. 杉の子さん、コスモスさん。

     ここで貴方たちが、伴侶をなくしたことの悲しみを語られているとは知りませんでした。自分のブログばかりに気をとられ、杉の子さんをお訪ねすることを忘れておりました。

     杉の子さんの友の話は、私の友の話と重なり、人ごとと思えない気持ちになりました。だから、夫婦仲良きことは、良いことなりとと、コスモスさんのお説教も心にしみます。杉の子さんもそうだと思いますが、私はもちろん大事にしておりますよ。でも、これからはもっと優しくするように心がけます。

     コスモスさんや杉の子さんとの出逢い、豊饒の海が開けていますよ。・・・・、この通りですね。

  4. 杉の子さん。
    onecat01さん。

    こんにちわ。室内気温20度。本来ならば寒い!と言うのですが、やっと身体が慣れたようで
    暖かさを感じます。
    杉の子さんのブログをバックして、onecat01さんのコメント発見・・・やっと、お出ましに
    なられました。
    ブログでお会いはしているものの、お久しぶりです。
    お二人の愛妻ぶりは、何気ない言葉の端々から伺われて、とても微笑ましく、読み手の心を温かく
    包まれるのを感じております。

    明治生まれの父は9歳年下の母にとても甘えておりました。
    母が末期の膵臓がんで命の宣告を受けた時、父も病に伏せておりましたので、家族皆の意見で母の
    事を内緒にしておりました。
    ずっと年下の母が父より早くに逝ってしまうとは、誰も思いもしないことだったのですが、母が
    亡くなると、後を追う様に父も逝ってしまいました。

    長生きの秘訣はやはり夫婦愛和であることに尽きますね。
    夫は年下で下から、当然コスモスが先に、と思っていたのですが、女性らしさに欠けることを
    天が見逃すはずありません。今でも亡き夫に文句を言ってますから、傍に居たら大変だ~と逃げ出した
    のでしょう。

    豊饒の海が開けていますよ。>と杉の子さんが言われるように、男性は天性の包含力があるのですね。
    たとえ歩けなくなってもいいじゃありませんか>と書いて頂きましたが、コスモスは健脚あってこそ
    と思いますので、お会いした時ご一緒に歩きたいですし、そうでなければお会いできないと思うの
    ですよ。 ですから、懸命に健脚を目標にしております。

    纏まりのない何時ものコスモス、お喋りの癖に何か一言欠けているような気もしながら・・・。
    そうでした、杉の子さん、コスモスがコメントすると必ず「重複したコメントがあります」と出てきます。
    そうでないときは、二重コメントになります。
    どうぞ、遠慮なく削除お願いいたしますね。

    寒い夜など、杉の子酒場で日本酒頂きましょう。

  5. onecat01さん、
    遅くなりましたこんばんわ、
    でも、onecat01さんの優しさには叶いません、
    それにしても猫庭のバ-ドバスしばらく閉店は、小鳥さん達可哀想な気もしますが
    お孫さんの健康には代えられず辛いところですね。
    夫婦は、若い時代は亭主間髪で結構ですが、年とともにカカア天下が宜しいようで、
    これが夫婦円満の秘訣のようですよ、二人揃ってこそより以上の幸せがあるのです。

    なあんちゃって、onecat01さん、杉の子酒場でコスモスママがお待ちのようです。

  6. コスモスさん、
    私の父もすい臓がんでした、
    夫婦は、男が先に逝った方が良いと思います、女房に先立たれた男ほど侘しい者はありません、
    その点、女性は夫を亡くしても子供や孫と仲良く出来ますし、精神的にも強いですよ。

    onecat01さんは、奥さんや息子さんにとって最高の夫であり父親だと思いますね、文章を
    みても滲み出ています、コスモスさんも息子さんやご家族とのふれあいを読ませていただくと
    家族の団欒が目に浮かびます。

    こちらは夜も冷え込んできました、onecat01さんが来ますので熱燗、熱い奴 頼みますよ、
    つまみはお任せいたします、今夜は、貸切、カラオケの準備も頼みます。

  7.  午後10時半です。昨夜ほどではありませんが、やはり冷えます。

    私はもう、焼酎のお湯割りを一杯、呑んできました。月、水、金が休肝日ですが、時々間違います。年をとったせいでしようか。「今日は、呑める日かな。」「そうねえ。」なんて、夫婦二人で間違って呑んだり、休んだりします。

     私は酔ってくると、歌が聴きたくなります。自分が下手だと知っていますから、本当は、聞き上手なのです。今夜は、コスモスさんもおられますか。それなら、つまみは、モズクを少々ください。喉がすっきりして、下手でも歌いたくなるのです。

     あ、熱燗ですか。そんなら、小さな杯で、いただきます。

  8. onecat01さん、
    子供時代に熱狂した北村壽夫氏著「笛吹童子」NHKの連続放送劇、新諸国物語としてラジオに
    かぶりついたものでした。

    コメントへのご返事を書いていたら一瞬で消えてしまいました、明日、書き直しますご容赦下さい。

    焼酎のお湯割り、コスモスさんからのモズクをおつまみに輪になって唄おう。 ですね !?

  9. 杉の子さん。
    onecat01さん。
    おはようございます。

    お二人をお誘いしながら、島酒がいつもより一杯多くて、目覚めると
    午前2時。子供時代の懐かしいラジオの世界を読ませて頂いて
    ♬ヒャラ~リヒヤラリ~コ、ヒャリ~コヒャラレ~ロ・・・なんて、
    歌いながらこちらに参りました。
    あの時の声優さんの声が好きで、過去記事に書いた記憶がありますが
    すでにお名前を忘れてしまいました。
    懐かしい、良き時代でしたね。
    日本の昔話のように「悪いものは悪い。良いものは良い!」と明瞭簡潔で
    腹にぐっと収まりました。
    今では、悪者も簡単に許して、輪になって踊ろうなんて、歯切れが悪くて
    消化不良になりそうです。
    お二人とも今は夢の中でしょうから、また歌いに参ります。

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