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雑談

真冬の夢 時間コントロ-ルパワ-

「H大工学部を中退して故郷の町へ帰郷したAが何やら不思議なものを発明
したそうです、」 故郷の後輩から奇妙な伝言が入った。

Aの実家は自動車修理工場、彼はそこで一般の従業員に混じって一工員から
仕事を覚えて行ったが、その航跡は一風変わった男だった、
酒は人並みに飲み、夜の飲み屋街では綺麗な飲み方のお客として礼遇された。

夜の蝶からはAさんとして慕われ、彼が店に来るだけで華やいだ空気が流れた、
ある年の暮れ、私は同級生の招きで帰郷して、スナックBに繰り込んだ。

その店のママは懇意な知人の奥さん、子育てが一段落して自己住宅の一階を
改装してスナックを開いたのである。

私達4人の同級生は夜も早い時間に行ったので他に客はいなかった、
30分過ぎた頃だったか、熱燗で頬が火照った頃にふたりの客がやって来た、
マスタ-の同級生のようだった。

私は生来他人にできるだけ視線を向けない方なので顔は誰だか分からない ?
「お前かH大卒の馬鹿は ?」 私の隣に座った仲の良いCが大声を発した !
途端に 「何っ! お前は誰だ ?」 後から入ってきた客が凄みのある声で応戦した。

やれやれ、又揉め事かい、嫌になるの~ ?
私はしぶしぶふたりに視線を向けた、帽子を被っているがどこか見覚えがある ?
以前経営していた店によく来ていたAさんではないか ?これは止めな ならんわい。

「わしの知り合いのAさんだよ、ダメだよ !」 その声でCは怒りを治めた。
「Aさん久しぶりですSです、元気でしたか、申し訳ありません。」

「あれっ! Sのマスタ-久しぶり・・・」Cの無礼にカチンと来たが私に免じて
許してくれた、相変わらず悪意の無い人である、やれやれ !
その後、懐かしさの余り話は湧きに沸いた ! 友遠方より来る又楽しからずや。

そのAさんが不思議な発明をしたという話なのである、
時間を自由に調節できる機械を発明した、米国の学会へ発表するらしい ?

彼のお得意の自動車整備技術をコツコツと研究していたが、とうとう成功したと
言うのである、時間を自由に調整して物体を瞬間移動させる事が可能になる。

伝聞では時間調節を自由にこなす部品を装着した軽自動車を高速道に乗り入れて
実験開始となった模様、助手席に座ったDさんは先般記念病院を退院したばかり、

そのことが気がかりではあったが、報告を受けた人々は固唾を呑んで耳を傾けた、
大洲インタ-から実験車は一路松山インタ-に向きを取った、

〇〇トンネルの入り口手前でAさんの操作は始まった、後続に付いていた見届け
車両の報告でAさんの車が忽然と消えたというのである。

数秒後、松山インタ-のETC専用出口にAさんの自動車は滑り込んだ。
その検証はこれからだが、助手席のDさん、肝心のAさんともに記念病院に入院。

一瞬の内に、数十キロの距離を自動車は移動した、Aさん曰く時間をコントロ-ル
した証だという、さてどうしたものか、その確証は何時出来るのか? まだである。

報告を受けた私は勿論、それを知らされた人々は、唖然として言葉が出ない ?
うそか ? 誠か ? 事実であればノ-ベル賞級の発明になる、もし嘘偽りならば
あの細胞論文問題で大きく注目された小〇方さんのSTAP細胞発見の二の舞となる。

真冬の夢か幻かは、まだ結論がでない、Sの神経が可笑しいぞ ? 私の精神鑑定が
話題に上がりそうである。 誰でもいいから時間コントロ-ルパワ-成功させて。

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