事実は小説よりも奇なり
台風18号が想いも寄らぬ友を東京から呼んでくれた。
「もしもしAさんのお宅ですか ?」
夕食の時間が終わった頃を見計らって電話を掛けてみた。
「ハイ! Aですが・・・」
若い女性 (だと思った?) の声が返って来た。
確認のため、昔の事に触れるとAの妻Bちゃんに違いない ?
若い娘さんの声だと思ったが、紛れもなくBちゃんだった。
「・・のSさん ?」昔を思い出して私の名前を呼んでくれた。
彼Aの現在を聞きたいと思った、私の問いにBちゃんの返答は
驚くものだった、「Aは今、ここにいますよ」
「事実は小説よりも奇なり」 人生は何と味なことをする !
私があれ程逢いたいと願っていた好漢Aが電話口に出た、それも
彼の実家にいたのである。
勿論、年を数えた大人の声が返って来た、
「Sさん、50になったら逢おうな!」 あの鮨屋での約束が
随分過ぎてしまったが。
「Sさん、今何しているの ?」私の説明に電話口で彼は頷いた。
東京暮らしの彼であるが、定期的に故郷へ帰郷しているという、
お互いの携帯を伝え合って、来月、故郷で逢うことに決まった、
約40年ぶり、感激の再会となる。
Aの一級下、同じ空手仲間のC住職が同席すれば最高の宴となる。
ブログの蒙古放浪歌を伝えると・・・
「蒙古放浪歌は拓大空手部の・・・」 と言葉が返って来た。
冷静なはずの私だが、突然の予期せぬ事にさすが声が震えたよ。
思いも寄らぬ出来事があると平常心が高揚するものだね、
嬉しい誤算、胸おどらせる再会、人生とは何と面白いものか ?
「Sさん電話教えてよ?」
「そちらの電話も教えてよ?」
「自分の電話番号分からない、待ってよ!」と彼は妻に聞いている、
呆れたような、それでも友情を楽しむように妻は大きな声で答えて
いた。
青山学院大学空手道部OB 俳優渡哲也さんの後輩 好漢Aも70
を越えた、50になったら逢おうな ! 何と20年も過ぎたよ ?
静かに小雨が屋根の庇を打つ、ふるさとに友が集う、ああ放浪歌よ。
男の友情 ! 私は泣きたいほどの感激に浸っていた。
「やっと見つけた ! とうとう逢える !!」
東京砂漠から 男が 帰って来る 想い出つれて。
蒙古放浪歌 路地裏エレジー2は、これから幕を開く !?