久し振りに散髪に行った、
可愛い息子が弟子3人と頑張っている、
早めに予約を入れていたのである。

恥ずかしそうに笑みを見せた、
「娘たち・・元気 ？」
「ハイ！ 元気ですよ」
小ちゃな手土産を持参した。

恒例のクリスマスイブのケーキを昨年は
風邪の為、届ける事が出来なかったので
遅まきながらのプレゼントだった。

二人の先客が居た、
それぞれ、楽しげな会話が弾んでいる、
若いのに気配りの良く出来た店主である。

そう、彼とは本当の親子ではない、
実の父親は彼がまだ小さい時に亡くなった、
男気のある侠気に私が先に惚れたのである。

常に私の健康を心配してくれる、
不義理な男にはキツイ気質・・・

母親の苦労を見て育っただけに
家庭を、妻や娘を大切にする。

以前、年子のおとなしい長女のお姉ちゃんに
「何かしてもらいたい事ある ？」と聞くと
「オンブして」と答えたそうだ、
早速、肩車をして部屋を歩いた・・・

外は暗くなっていた・・・

少し経って何気なく部屋のガラス窓に目を
やると、
部屋の灯りに映った二人の姿を長女はじっと
見ていたのである。

日頃は活発なひとつ下の妹に遠慮して
寂しい想いのお姉ちゃん・・・

パパは、ハッとした
娘のいじらしい心に想いが行ったのである、
私に話す彼の目に涙が滲んでいた。

幼くして父親を亡くし、母親の苦労を見て
育った男、自分の生い立ちを振り返り親として
何を為すべきか悟ったのである。

この男も偉いが父の背中で大好きなパパを
独り占めに出来た一瞬の子供心に私は泣けて
しょうがなかった。

一年遅れのクリスマスプレゼント、

逞しいパパ、優しいママ、暖かいおじいちゃん
そして、おばあちゃん・・・
幸せは、家庭の団欒から、

我が身で味わえなかった男の胸は浪花節である。

そんな男達が大好きで、そんな男達に囲まれた
我が人生は、ただ今満開である。