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行政書士

男の友情 宝物

今日の午後、親子ほども歳の違う同僚A先生とある検査の立会いに
出向いたが、担当の違う私達は明日の作業の下調べを行った、
大掛かりな施設の手続きのお手伝いも終わりに近づいている。

結構、珍しい案件で経験者も少ないこともあって難儀したが、
優秀なA先生のおかげで千秋楽を目の前にしている。

その後、恒例のお茶会となったが、私のような年寄りにとってこの
時間ほどうれしく楽しい事は無い。

話の途中携帯が鳴った・・・
以前より受託していた開発案件の依頼者よりの電話だった。

立派な住宅を計画しておりその土地造成等の打ち合わせに時間が
かかっていた案件だった。

「長いことお待たせいたしましたが計画が決まりましたので手続きを
進めてください」 丁重なご連絡だった。

この手続きもA先生に分担してお願いしている、
早速、測量、分筆をお願いしているB先生へも進めてもらうよう電話
を入れた。

(さあ! 進めよう、気合を入れて行きましょう)

A先生の存在は仕事だけでなくいろんな意味で有り難い存在となった。
後日、難局を乗り越えて盃を交わす時がきたら万感胸に迫るに違いない。

役を降りて、一会員に戻ると同僚会員との出会いの回数が減る、
それぞれ、けっして悪気は無いのだが役職に必要な会議等の時間が
なくなることで、会う機会がなくなってしまったのである。

私の人生でこの2年ほどは悩ましい時期でもあった、その私にそっと
寄り添ってくれたのが彼A先生だったのである。

父親を早く亡くした事もあって、お互い胸に響くものがある、
彼の存在は、銭金に換えられない宝物だと思っている。
私の残りの人生で恩返しが出来るものかどうか男の生き様で示したい。

明日は、また彼とひと仕事が待っている、
それが済むと別件の共同作業の手続きに入る、悩む間もなし秋の空。

やって来る仕事はやるだけやって、肌寒い夜風に当たりながら熱燗で
ぐいといきたいものである。

「眠っているかよお前さん、もうそろそろ目を開けたらどうなんだい」

「隠居の身、欲はないぞえ年寄りは、縁の下でごそごそとこれが性に
有ってます、懐 秘めたる心意気、誰に貸そうか 与えよか !?」

夜に吉報が届いた、長年の夢、仕上げのひと仕事がそこに来ていた。

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