忙しかった昼間の喧騒が星空の向こうに吸い込まれるように
瞬く星座の群れに溶け込んで消えた。
いつもの椅子に腰を降ろして物思いに沈む、
近日、故郷の友からの便りは友の闘病の話ばかりである。
あれほど元気だった竹馬の友たちが次々と倒れていく、
男性ばかりだったのが、とうとう女性陣にまで病気は
触手を伸ばして行く。
私の負けじ魂と友を思う義侠心がめらめらと炎を燃やす。
多忙な時だが、1人 2人と励ましの便りを送ることにした。
男達には「待ってろよ!」
女性陣には「ひとりぽっちじゃないよ ?」
共に曲がりくねった学校への道を通った仲じゃないか !
白い波しぶきにずぶ濡れになり泣きべそをかいたあの朝。
貧しい戦後の田舎は皆平等の社会だった、
お手手つないで、いちにいさん ! みんな元気だよ !
この歳に為ると果たして友より残ることが幸せなのか ?
同級生で最後まで生き残った者は辛く寂しいことなのでは
ないかと思うようになった。
この一日 事業を立ち上げた友に・・・
「お前が最後まで残って、みんなを見送ってくれよ!」
そう伝えた。
彼の真面目な人柄、沈着冷静な常識人を見抜いての事なの
である。
「最後に残して悪いけど、みんなを見送ってくれよ。」
地元のBKで定年まで勤め上げた努力の人である。
最後に頭取の座を占めるのはこの生き様を貫いた彼の勲章
ご褒美だと思うしそうしてやるべきだと思う。
勿論、出来るだけ彼を支えて私は大往生する。
後何年か、いやいや10年20年先の話か ? そう考える
心の余裕が人生を楽しく実りあるものにする。
「お前って奴は !」
そう言って友を泣かせれば本望だわネ !?
任せなって、俺によ・・・!
桜の花がきれいだね、見事に散って見せるぜ ?
「男だもの なあ! 友よ !?」