3年生の教室は昼休みの弁当が終わって学生達はそれぞれ勝手に駄弁っていた、椅子にではなく机に座っているもの、立ったまま喋っているもの様々だった。
突然、声にならない甲高い悲鳴に近い怒声が響いた、
185cm長身のHoに160cmに満たないHiが見上げるように殴りかかっていた、 まるで子猫同士がじゃれ合うような幼稚な喧嘩 ?
悪ガキ、番長達は面白がって囃し立てた ! 「いいぞ ! やれ! もっとやれ !」
Hoの顔は真っ青、反対にHiは真っ赤、その! 差が際立っていた。 2人ともおとなしい普通の生徒、Hiはガキの使い走り、自分の居所を見つけていた、ささいな冗談が喧嘩に ?
ある時全校生が講堂に集合した事があった、先生方も前で並んでいる、突然、甲高い怒声が響いた、生徒よりも先生が驚いた
何事か ?
Hiが訳の分からない大声で全校生徒を威圧した ! 番長達がHiに命令してやらせたのである、先生よりも番長達が幅を効かしている証拠、番長達に従順なHiの悲しい処世術、何とも可愛く幼稚なガキどもであった !
ヒマヤラ杉はこうして子供達の日常を無言で眺めていた、
ヒマラヤ杉にもし心があるならば、さぞやいくつもの筋書きのドラマーが出来るだろう。
K校賛歌は連続ドラマーとして視聴者の共感を得て世を賑わすに違いない、私はさしずめ脇役も脇役、番長の手下に殴られてベソをかくいじめられっ子にキャスティングされるにすぎないだろう ?
金八先生、来てくれないかな ? 人気ドラマーが誕生すると思いますよ・・・!
ヒマラヤ杉の3年B組 金八先生 ウェルカム 金八 !
あの無礼講が許された日本が懐かしい、外国人の流入に直面して、日本全体が閉塞感に息苦しい現状を憂う私は、回顧を込めて昔を振り返る。
K校賛歌 ! 校庭に咲いた花々よ ! 幸せ掴んだかい !
誰に粋がったか ? あだ花よ ! 社会生活に耐えられたか ?
とこしえのヒマラヤ杉よ ! 思い出と青春をありがとう !
・・・
ヒマラヤ杉の下 ともに学生生活を謳歌した大切な友人達・・・
長身のHoは、独身のまま若くしてこの世から旅立った、優しさを私 達に残して。
小柄なHiは、早くして事業を立ち上げて成功の列に加わったが病魔に魅入られてリタ-ン、現在静かな環境に身を置いている。
個性豊かな他の学友達は、農業高校の特性のため、地元でブランド蜜柑の栽培と地域の指導者の地位に登りつめ後継者育成に務めている。
都会へ向った友人達は、幾多の困難を乗り越えて静かな余生を送りその地で骨を埋める。
参考 番長グル-プは4人いたが、1人だけ健在で、2人死亡1人その行方が掴めない、妻や子に恵まれた事が幸いであった。
鎮魂
共に学び共に遊んだ学友達十数名は人生半ばで帰らぬ人となった、涙でくもる雄姿と、無邪気な笑顔を残して、
黙祷。