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人生, 友情

男達の挽歌  男涙の見せどころ

今年最後の月、12月、やり残した仕事をこなすには時間が足りないが、気合いを入れて臨んでいる。

先を見つめて今しておく事だが猛烈な意志が必要になる、だがやれないことはない、レッツゴーだよねー。

昨夜は、我が部屋の窓が遠慮気味に泣いていた、ことこと( メソメソ! ) 間に風の音がヒュー ことりと、まるで私に何かを訴えるような少女のしのび泣き 

夢見る心地であの頃が、睡魔の中で浮かんで見えた  !貧乏真っ最中、子育て立ち往生、夫婦は顔を寄せて思案していた。

「辛きことのみ多かりき!」 林芙美子のセリフが身に沁みていた、古い平屋建ての借家住まい、道後温泉から歩いて10分の住宅街の一角に居を借りていた。

最悪の40才、先の見えない暗中模索、子供達の寝顔に涙がこぼれた「負けたらいけんよ!  頑張るんだよ !」亡き母が夢の中に出て来た。

空手の師匠の笑顔が負けじ魂に火をつけた  

「帰っておいでよ !  Y ちゃん  !」涙が滲んだ・・・、  「押忍」

男の新たな旅立ちだった、男踏ん張りの見せ所だったのである。

午後のまどろみの中で突然の電話、竹馬の友Sからだった、

同級生が次々と旅立つ中で、この男ともうひとりの友Yが先立ばさすがの私もがっくり来る大切な竹馬の友である、私よりも後に残ってもらいたい宝である。

取り留めのない話がどれ程支えに為るか計り知れない、

「たのむから、わしを見送ってからにしてくれよ !」

港町に吹いた浜風は、こんな野郎達の交友で賑わって来た、男達に問いかける挽歌は男歌から男を想う女の恋挽歌に移って来た。

あの駅舎でそっと見送ってくれた恥じらいの乙女、泣き崩れた黒髪が春のそよ風に揺れていた。

風雪は、様々なしがらみを重ねて、男を磨いてくれた、仰いだ権現山が「負けるな! がんばって来い !」 黄金色のみかんを反射して語りかけてくれた。

川高 柔道部主将S・Oの叱咤が忘れられない、

「お前は刀を振り上げたら必ず振り下ろす !」

権現山の麓 向灘、私Sを常に庇い見守ってくれた盟友は、西日を背に港町の重鎮で睨みを効かしている。

番長たちが一目置いた実力者、日土 K・Uと共に机を並べたアルファベット順、男の友情が色あせることはない。

12月は蜜柑の採り入れと出荷で忙しい、

「年が明けたら同級会するぞ !」

 

私の電話で、男達の挽歌が鳴り響いた  !

 

男達の挽歌   男涙の見せどころ  !?

 

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