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思い出

トンビに油揚げさらわれて だから言ったでしょう

その話を聞いて私はため息をついた、
久しぶりに電話がかかってきたので指定場所に
出向いたのである。

相手は知り合いの不動産業者さん、
話はこうである ?

ある広大な敷地を持った企業が撤退することになり
その跡地をどうするか、買い手のめどが付いている
と言う、

話を聞けば日本の有名な団体の会長さんである、
「すごいですね!」 興奮した声でその先を催促
した、
「一人では大変だから誰か運転手兼助手を
雇ったらたらどうですか ?」 と聞いてみた、
ところが、「いや、それは駄目、差し繰られたら
困るから?」この世界によく有る話に触れた、

私は茶目っ気を出して聞いて見た、
「私が手伝いましょうか ?」 それには答えず
話をそらしてしまった。

自信ありそうに財界トップとの関係を説明するので、
「すごいですね」 私は大げさに調子を合わせた。

満足そうな表情で彼は微笑んだ、
私とは遠慮のない親しい間柄、だから気楽に話せる
のだが、彼のことを知人は密かに陰口叩く ?

何と言って、
「〇〇さんは、独り占めして情報をくれないのよ、
取られると思うんだろうけど結局差し繰られて
馬鹿を見る、可愛そうに・・・」

「そうなんですよ、私も何度か見かねて諭すのだが
又また取られてしまう、だから人間不信の権化に
為ってしまって、かわいそうに・・・」

知人はそう言って彼を気の毒がった。

有る朝のこと、
朝刊に目を通すと大きく関連記事が載っていた、
・・・・・ ???
ひと目で、また彼の不成功を知らされた。

あんなに一生懸命がんばったのに、
欲を出すからこうなるのよ、しょぼんと放心状態の
彼の顔が浮かんで来た。

だから、ひとりで独占しないで
力強い助っ人に助力を仰げば良かったのに ?
不動産の仲介は難しい。

彼が自慢げに話した報酬額は
うん千万円、私の長年の夢クル-ジング世界一周
船の旅が何回もできる金額、 「ああ!」

明日あたり電話がかかってきそうだね ?
「Sさん、時間ない ?」 いつもの調子でお茶の
誘い、 (行ってあげねばならないね?)

男は、辛いね、切ないね、
今夜あたり宝くじ億万長者の夢を見させてあげて・・・
彼はひとり寝の子守唄を長年続けています、

明日天気にな~れ・・・お嫁さん居ないかな ??

 

 

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