数年前のある時、ある要件でお訪ねしたご婦人が、
「私は綺麗かしら ?」❤
なんともいえない笑みと鈴の鳴るような柔らかな
お声で私を見詰められた。
御歳80代半ば、品のあるご婦人だった。
その立ち振る舞いに私の胸は高鳴った、男女の感情と
言うのではなく人間としての神々しい趣きにである。
その前もそうだったがそれ以来更に私の女性観は良い
意味で変わった、どんなに気性の激しい女性でも根の
ところは所詮女、可愛いもの 💕 と思うとね !
そのご婦人は少し前ご主人を亡くし、私の問いかけに
「遠いところへ行ってなかなか帰れないのよ !」
と話された、天国へ旅立ったご主人をそう表されたの
である。
私の後輩の息子は空手の世界チャンピオンと兄弟のように
競い合って育った有望な選手だったが自動車事故で死亡
した。
お悔やみに出向いた私に田舎の後輩でもある母親は、
ポツンと呟いた、
「Sさん! 息子は、旅行に行っていると思うようにして
います !」 側で父である後輩は黙って俯いていた。
数年後、
息子の死を嘆き悲しんだ父親は病に倒れ息子の後を追った。
ビデオに映る空手大会の息子の勇姿を夜毎眺めていたと言う、
男と女、土壇場になると男は案外もろいが女性の方は強い。
時々女性と話す機会があるが、勿論世の男性はシワのない
肌がすべすべの女性を好むのは仕方ないとしても私のように
それ相応に評価する男性のいることも又知って欲しい。
男同士でも数年ぶりに会うと
「Sさん!年取ったなァ !」と驚く人はいる、ところがそんな
奴に限って随分年を取っているものだ、我が身の姿が見えない
だげで相身互いである !
私が女性を寛容に見るようになったのは世界情勢に思いが向く
ようになったからである、
テロの横行する中東やアフリカに目を向けた時、女性の存在の
危うさを見るからである、男の飾り物、奴隷に等しい存在を
知ったことにある。
所詮女は戦争に巻き込まれるとどんな立場に立たされるか ?
高等教育を受けて、どんなにステータスが高くっても、身の
危うさは男の比ではない。
せめて平和を甘受する内は自由を謳歌するのも良い、戦争に巻き
込まれることで自分たちの非力を知ることになるのだから、
そこには、日頃男を見下して旦那を粗末にした生活が待っている
訳ではない、テロ集団に奴隷扱い蹂躙される人権のない哀れな
女性たちがうずくまっているだけかもしれない。
平和な日本を恋い焦がれても生きているうちに帰れる保証はない。
女の悲惨な状況の中に「日本恋しやが思い浮かぶ筈である!」
男たちを馬鹿にしていたのは誰だったのか !
自分たちで思い知るまでは、私は静観する、
女性にあまり干渉しなくなったのはこんな理由からである。
その目で地獄を見る明日でないことを祈ります !?