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フィクション

小さな羽車

羽車

飛行機のプロペラ、船のスクリュー、風ぐるま、手製のブーメラン。

それぞれ遠くから見ると優雅な動体にしか見えないが、それを近くから見ると一種凶器に見える。

ものを動かせる大きな推進力も使い方次第で凶器に変わる、そばに寄って指を触れると切断される。

ここから、想像を働かせる奇特な男がいた、

「Sさん、世界は混沌として見通せない、危ない世の中になりましたね   ?」

軍事、科学に興味のある人は、平凡な我々の思考と別のことを考える、彼がポツンとヒントをくれた !

「高速に回る歯車に指を触れると切断される、無機質な部品が殺人兵器に応用される、米露中あたりは既に研究していると思うが   ?」

何を言うのかと思えば、兵器の話を始めたのである、彼が言うには、近年発達著しいドローンを見てふっと閃いたという   !

いろんな機械には大小様々な歯車が組み込まれている、単調に回り続ける歯車だが、もしそのハネが空を飛んで目標物に体当たりしたら、その衝撃はどうなるだろう ?

先般、何かの記事に出ていたがロシアが暗殺兵器に応用かと触れていた、似たような発想をする人がいるものだ !

昆虫のように飛んで目標物を切断  !  まさにスパイ小説の世界が現実のものとなる、先に発想が来て、後から研究試作と続く、小さな殺人兵器。

日本のようにスパイ防止法のない国は、出入国を含め無防備極まりない、

空港のロビーで男がアタッシュケースを開いて何かを取り出した、まるで帰りを待つ子供へのオモチャのようである。

帰国の途につく某国政府高官が歩を進めていた、見送りの官僚達に何事か話しかけている、その時、ロビーの一隅からシルバー色の小さな昆虫が後を追うように滑空した・・・・・?

数秒後、要人出入り口から切り裂くような悲鳴が上がった ?

小型精密機械の発表が行われていた、一般客には目に付かない代物、地方都市の小さな工場の製品のようである、某国要人の目が光った。

ある朝、私に一本の電話が掛かって来た、

「先日の発表会への出品は、旧式の試作品(目くらまし用品)でした、本物は◯◯省へ既に納入しました❗️」

日本が本格的に軍事力増強へと舵を切った事を知った         !?

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