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友情, 思い出

優雅に輝いていた港町 リスペクト あなたへ

リスペクト

昭和がまだ未来を夢見て優雅に輝いていた四国は港町、白亜の殿堂にその女性は勤務して数多くの部下を指揮して多忙を極めていた、

清潔な白衣姿を羨望の眼差しで見守る市民は多かった特に男性の目が注がれた、その女性の名はK先生、勝気な中にも責任感に溢れた東京帰りの薬剤師さんだった。

ある時、私の店に馴染みのAが腑に落ちない顔でやってきた、「Sさん、C病院のK先生を知っているかな ?」 と聞いてきた、その当時彼が付き合っていた女性がK先生の職場で仕えていたのである。

「どうした  ?」 彼はある技術職で自分の店を個人経営するやり手の事業家だった、小柄で清楚な彼女は彼と同業の大先輩のお嬢さん、私は彼の良さを十分知っての付き合いだが、一般的にはやや不良っぽく見られがちで身近に接しないと彼の良さは分からない損な役割の男だった。

まず当時の私と同じ「角刈り」向こう意気の強い 行け 行け!誤解される筈だよ ? いわば玄人にあらずの素人の男肌だった、だから玄人の女性たちにはモテた。

彼女の父親がふたりの交際に難色を示していた、K先生の元にもその相談があったようで、彼との出会いでK先生からやんわりと辞退の申し出があったようである。

彼はK先生の話を出過ぎた不快な申し出と受け取っていた、それで私に不満を伝えて来たのである。

随分昔の事なので詳しくは覚えていないが、私の助言は、「付き合いを止めないで、父親を納得させて、結婚したらどうか !」 と推し進めた記憶がある。

結局ふたりの恋は終わりを迎えた、彼の内面の良さを知っていただけに女性の為に惜しまれてならなかった、特に彼の母親が良い人だけに、幸せな結婚生活が想像できた。

付き合っていた彼女は父親の意思を尊重して彼の元から去っていったのである、後年別の女性と結婚した彼はやや女房に敷かれているが良きパパさんに変身している。

人は見た目で判断しないことの典型である、後年彼の娘御二人と出会う機会が訪れたが素晴らしい女性であったことに驚きを禁じ得なかった、彼の人間性を見事に引き継いでいた。

啓、K先生! 思いだされるでしょうか ? あの時、先生に悪態をついた、かの男は ?本当は心の優しい男です、人情を弁えて苦労した母親を大事にする孝行息子でしたよ。

好きな女性と引き裂かれる男の心情を私はよく理解できます、見知らぬ内に滂沱の涙を流した男の切なさは、私も共有の喪失感です。

あの港町は、私の原点、

あなたの後姿を眺めて心ときめかせた少年は、たくさんの人々から相談されるポジションに立っています。

孫の世話が大変ですと言いながら元気でお過ごしの報に接して心から嬉しく思います。

昨年の、京都3・3・かぶ島会は小数人でしたが盛会のうちに終わりました、あなたの姿が見えなかったことが心残りでしたが今年の年賀状でお元気なご様子を拝見して安堵と幸福感に浸りました。

人間は誰でも、何か 悩みはあるものです、ただそれに挫けるか挫けないかは ?自分のしっかりした心構えと悩みを相談できる人が居るか居ないかで左右されます。

私でさえ、こんなに人前に出て話せる人間に成れました、聡明なあなたであれば必ず希望は掴める筈です。

Kannaちゃん、私は人の悲しみを理解できる人間です、友の苦労に添える男になりたい。

東京はSのあこがれ、狂おしいほどの愛が消えた街、男にしてくれた荒ぶる街 !

幾人の男友達から音が消えました、もっぱら奥方が友の代わりに私の話し相手を務めてくれます、

彼らと出会う時は、手を取ってじっと目を見て彼らの思いを聞き取ります。

Sは、どんなことがあってもお前たちの友で理解者だよ !

Kannaちゃん、横から渥美二郎の ♪ 他人酒が聴こえています、泣けるね  !?

感謝。

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