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男と女, 運命

別れ

別れ

親子の別れに父の姿はあまり出てこない、

「お母ちゃん ! お母さん  !」このように母親の方が多い、私は仕事の関係でたくさんの人と接して来ました。

親子の別れは、ほとんど母と子の別れに行き着く、その情景は切な過ぎて言葉にできない。

略奪愛という悲劇に母子が引き裂かれた、遠ざかる母と男の乗る自動車を必死に追いすがる子供がいた。

この話を私はその母親から聞くことになる、彼女は十数年の年月を経て私の前で後悔と懺悔に落涙した。

相手の男性は組関係の人だった、ただ怖いとの思いで彼の要求を拒めなかった、その代償は母と子の悲劇だけでは済まなかったのである。

所帯を持っていた旦那 ( 主人 ) の荒れた人生、母を奪われた子の人生、そこには言葉で言い表せない地獄の苦しみがあった。

男なら分かると思うが、恋女房それも2人の間には可愛い子供がいる、その仲を割かれて奪われる、畳をかきむしる思いだっただろう。

殺してやりたい! しかし、その相手は手の出せない関係者、双方の男性を知っているだけに、私は、長い期間胸のつかえが下りなかった。

説明できない憤りを感じながら、その妻の告白まで詳しい事情は闇の中だったのである。

運命は、どう決着させたのだろう   ?

悔し涙を流した男は、我慢辛抱の後、新しい所帯を持つことになった、子供の処遇は身内の助けを借りて育てられ男の死を待って母と再会する。

恩讐の彼方、母と子の絆は風雪に耐えて実る時が来る。

略奪愛、それを選んだ男の半生は苦労に彩られたものになる、病に魅入られて耐え難い闘病生活が続いた、無機質な病院で息を引き取ることになる、天の審判は過酷だった。

私は一度だけ彼を見舞ったが、その視線は虚ろな慚愧の空間を彷徨っていた、天の配剤は肉体の苦痛より、心の晴れぬ後悔を突きつけていた。

男で売った男は、情愛の機微とは対極ゆえに泣くことになった、天は、峻烈な罰を彼に与えたのである。

別れ、   !

母と子の別れ、ついに再会が叶えられた、私の手の届く範囲に母と子は住んでいる。

別れ、  ?

男の別れは、誰一人、見とる人もなく孤独の中で旅立つことになった。

天は、過酷にして残酷な舞台に彼を立たせたのである。

人間は善悪の心を持って生まれる、どちらの色合いが濃くなるか、人との縁で区別される、お天道様は見ている、全てお見通しだと言うことである。

世界を呻吟させる新型コロナ武漢ウイルス、神を敬い真摯に向き合う国々と唯我独尊無神論の国は、どのような未来図を世界の人々に見せるだろうか ?

混乱の中いづれ決着する、代償を払うのはどちらか、神の審判は  くだる             !?

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