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武道

男たちの挽歌 喧嘩嫌いなんよ!

陽光さんざめく空の下

心洗われる青空の下、車を公園に乗り入れた、河川に沿って細長い公園には既に5〜6台の車両が均等に間隔をあけて労を取っていた。

YouTubeで武道系の番組を追ってみた、フルコン空手、伝統流派、少林寺拳法、合気道など昔を偲んで目を凝らした。

「Sさん、貫手は効くよ!」 私と一番切磋琢磨した友が興奮気味に話した、実戦で使った事を理解した、

ところが、その彼が後年「Sさん喧嘩の話は嫌いなんよ」と語るとは、私は苦笑いして「そうなん!」と受け流した、男たちの挽歌、時はこのように荒くれ魂を変えたのである。

つい先日、立て続けに空手の師範と、合気道の指導者から連絡が入った、荒くれどもを瞬殺で仕留める猛者達である。

ともにその道で有名を馳せた指導者にしごかれた者達でもあった、彼らは若い現役の頃は、実戦の戦果を自慢しあった、イケイケ満々の横着さを全面に出していた。

それが、このように変わるである、怪我(実戦) の効用、歳月は荒くれ魂を解き放して静の男に変えていたのである。

近いうちに会う事を約束して電話を切った、「友遠方より来たる、また楽しからずや。」

時々、YouTubeでは、格闘技の面々が場面を賑わせている、色彩鮮やかな彫り物も見える、言葉は見事強気、私がもっと若かったらビールでも片手に身を乗り出したに違いない。

過ぎ去った年月は私の身体と頭から男独特の荒削りの性格を取りのぞいていた、私はすぐにスイッチを切る。

「喧嘩が嫌いなんよ !」遅まきながらライバル友の領域に私も、踏み込んでいた事になる、(若かったからなア!)

私の親しい武道家が数名集まって団欒に興じたことがある、カフェコーナーでの一幕だった、若い頃に実戦で使った技について自慢話が出た。

彼らの口からは驚く実戦の技とその結末について語られた、その犠牲者にならなくてよかった、それが私の正直な感想だった。

私の周囲の武道家は、皆さん押し並べて穏やかな平和主義者である、険な場になるとほとんどそっと座を外すに違いない。

「君子危うきに近寄らず !」 それは、長生きのコツでもある。

遠目で前方の車の運転席のドアの外で一匹の子犬が主人を守るように座っていた、じっと動かないのである、可哀想に、そう思って近寄って見ると!なんと幼児のスクーターではないか?

手足だけでなく目の視力まで落ちているとは、これでは暴漢の攻撃を防ぐことなどできまいに、非力を悟った河川敷だった。

男たちの挽歌 喧嘩嫌いなんよ。 !?

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