男達の挽歌 芦原残照
穏やかな日差しが街を覆う、久しぶりに息子の床屋へ散髪に行った。 昨日、予約の電話を入れたが肝心の店主の息子は休みを取っていた、そのため今日の午後予約を入れて、勇んで出かけたところである。 彼も40歳になりふたりの娘も高校… もっと読む 男達の挽歌 芦原残照
穏やかな日差しが街を覆う、久しぶりに息子の床屋へ散髪に行った。 昨日、予約の電話を入れたが肝心の店主の息子は休みを取っていた、そのため今日の午後予約を入れて、勇んで出かけたところである。 彼も40歳になりふたりの娘も高校… もっと読む 男達の挽歌 芦原残照
暦の上では晩秋から冬へと季節が移り変わったが、現実は、穏やかな陽だまり、そしてぬくもり、ところが今朝は久しぶりの雨が静かに降り始めた。 私の家から車で約五分、小学校の校舎を東へ登ると佐古ダムという小さな湖畔に行き着く、そ… もっと読む さざ波に 魅せられて 逢いたい
私は好き好んで過去を振り返っているのではない、現在のポジションと比較して少しでも自分を鼓舞するために敢えて過去に向き合う。 それと、私が関わった人々へのオマージュでもある。 人の迷惑顧みず突っ走った青春 ! だが裏ぶられ… もっと読む 川高 ヒマラヤ杉 想い永遠に
八幡様の下、市民会館裏通りに杉の子と云う泣かせる居酒屋が在った、もうずんぶん経つが青春が凝縮していたね。 私の周りには良い男たちがたくさんいた、すこし不良じみていたがね、いろいろな悩みを言って来て涙を流した奴もいた。 ど… もっと読む 港町に 咲いた 侠たちの花
竜二 と 英二 金子正次の竜二が惜しまれて去ってからどれ程の時間が経過したか、 愛媛県松山市津和地 (旧 愛媛県温泉郡中島町津和地島) 静かに凪ぐ島は正次が生まれた故郷。 正次の面影を追いながら中島トライアスロンの島とし… もっと読む 竜二 と 英二 潮の香りに
にわか雨 途方に暮れて 私の高校生活の通勤に費やする所要時間は、 1年の時で片道2時間半、往復で5時間かかっていた、 それが3年生になると、要領も覚えて往復3時間で 可能となった、 途中、大小3つの峠を越えての自転車通… もっと読む にわか雨 途方に暮れて
得体の知れない男ほど心騒がす者はない ! 或る日突然目の前に現れてドスを利かしてくる。 心当たりは有るか ! この男の真意は何なのか ? 心の内でめまぐるしく原因を探る ? 心当たりがない、じゃあどうしたもんか ! そん… もっと読む どうしたものか 健さん ?
夜の町へようこそ、 賑やかな表通りより薄汚い裏通りが私はお気に入りだった。今振り返ると23歳のころ珍しく従兄弟と夜の町へ繰り出した。 目当ては新川沿いの角に在るバ-A、飲み屋街から外れた場所に在るのに何故か繁盛していた。… もっと読む 男達の挽歌 望郷 港町
シルエット 抜けだるい陽気の元、一仕事終えた私は駐車場で一息入れていた。土木会社の重機が暑さに音を上げるように喘いでいる、車を乗り降りする人もうんざりの態で汗を拭っていた。 時計は正午を指している、風邪気味なのに私は夏の… もっと読む シルエット
嬉しさはやまびこにかえり、悲しみは雷雨に咆哮す。 激しい雨が全身を打ち歯の根が合わぬほど青年は打ち萎れた、 全ての幸せが天に帰ったかのように希望はかき消えた。 あれは、あの日は、いつの事だったかさえ覚えてない、 かすかに… もっと読む 嬉しさはやまびこにかえり 悲しみは雷雨に咆哮する